マレーシアの米料理、まとめてみました。Malaysia is Nasi Paradise! Which Nasi do you like?
マレーシアでは米のことを「ナシ nasi」とよぶ
混ぜる、炊き込む、炒める、色をつける、炙る、固める、甘く煮る、発酵させる。マレーシアの米料理は、調理法も、味も、色も、驚くほどバラエティ豊かです。
カテゴリーとしては、6つ
・味なし白いご飯 … いわゆる普通の白いご飯「ナシプティ Nasi Putih」。多種のおかずに合わせる。白いご飯必須の人気料理は「バクテー」「バナナリーフカレー」「ルイ茶」など。
・味なし青いご飯 … バタフライピーの花で色付けした青いご飯「ナシクラブ Nasi Kerabu」。マレー半島東北地方(クランタン、トレンガヌ州など)でよく食べられている。定番ソースは「ブドゥ Budu」(濃い魚醤)で、ココナッツフレークは必須。おかずは好みで選べるが、汁のあるおかず(カレー系)ではなく、焼き魚やBBQ肉料理など汁のないドライ系のおかずを合わせることが多い。
・味なし固まったご飯 … 「ナシインピ Nasi Impit」「クトゥパ Ketupat」とよぶもので、餅とご飯の間のような食感。スープやサテーに合わせる。
・ほのかに味(香り)、白いご飯 … ココナッツミルクで炊いた「ナシレマッ Nasi Lemak」、チキンスープで炊いた「チキンライス Chicken Rice」、チキンスープで炊くことの多い「粥 Porridge」(※広東粥。ただし潮州粥は水のみで作る)
・ほのかに味、色付きご飯 … ココナッツミルクに浸して蒸したうるち米ともち米のミックス「ナシダガン Nasi Dagang」(魚のカレーを添えることが多い)、ギーを加えて炊いた「ナシミニャ Nasi Minyak」、トマトとスパイスを炊き込んだ「ナシトマト Nasi Tomato」、ターメリックで色付けした「ナシクニン Nasi Kuning」。
・しっかり味、これだけで美味 … 焼飯「ナシゴレン Nasi Goreng」、スパイスを炊き込んだ「ナシブリヤニ Nasi Biryani」、土鍋で生米から炊く「土鍋チキンライス Claypot Chicken Rice」、ハーブを混ぜ込んだ「ナシウラム Nasi Ulam」。
米料理の写真をずらっと並べてみます!
ご当地米料理もあります。「チキンライスボール Chicken Rice Ball」はマラッカ(ジョンカー通りのレストランで提供)、ウツボカズラ入りご飯「Pitcher Plant Rice*」はサラワクで出会うことができます。(*そんなに一般的ではない。シニワンの夜市で食べたことがあるがもともとは山の民の料理かと)
さて、このように多種多彩なマレーシアの米料理。全体の食事におけるポイントは下記3つだと思います。
■マレーシアの食事はご飯が主役
マレーシアの米の自給率は約70%。細長い粒のインディカ米で、パラッと口あたりあっさり。この食感は、ご飯とおかずを混ぜて食べるマレーシア人の食習慣に最適。おかずと混ざりやすいし、カレーやスープをかければサラッと食べられて、暑い気候下での食事向きといえる。
マレーシアで暮らすおもな3つの民族の食には、マレーシアに集まる前から共通の食の嗜好があった。それが米食。マレー系は、もともと東南アジアで暮らしていた米食の民族。華人は、福建省や広東省、客家人など中国の華南をルーツとする人が多く、こちらも米が主食。インド系の多くは、南インドから移民してきたカレーに米を合わせる人々。そのため、マレーシアの食文化は、米食を中心に発展してきたといえる。国民食が「ナシレマッ」なのも、その証では。
■見た目も楽しむ
青、赤、黄などカラフルな米料理がある。上記で紹介したように、バタフライピーで青く色づけした「ナシクラブ」。ターメリックで黄色に色づけした「ナシクニン」。赤色なのは「ナシトマト」。これらは、結婚式など祝い料理のときに提供されるものが多く、つまり、見た目の華やかさが大事な場面に登場。また、色でインパクトを出すのは、食堂の店頭で料理を並べたときに、通りを歩く人の視線を引き付け、食べたい、という食欲をかきたてる目的もあるのでは、と推察。
■おやつにも米を使う
日本のおはぎやちまきのように、米を使ったおやつが多数ある(下記参照)。味は、甘いもの、甘くないものの両方あり、ココナッツや干し海老などが具になっている。また、米粉を使ったやわかい食感のおやつ(おやつ図鑑参照。だんご、大福、ういろう、おはぎに似ている)も人気だ。めずらしいのは「タパイ Tapai」。米ごと食べる甘酒のような味で、ラギという麹をふりかけて発酵させたもの。また、赤米で作る甘いおかゆ「ブブヒタム bubur hitam 」も特徴的。とろっとした食感でやさしい甘さだ。
米好きマレーシア人の発想豊かな米料理。ぜひ、味わってみて下さい。