マレーシア料理図鑑80/おやつ/上級★★★★★★★/専門店提供、めずらしい料理/
揚げておいしくなる果物はバナナが有名だけど、このチェンパダもすごい。甘さが増し、とろっとクリーム状に溶けた実で、熱々の揚げたてをほおばるべし。写真はマラッカのおやつ屋台で食べたもの
チェンパダ・ゴレンを解説
チェンパダという果物の実に、粉を水で溶いた液をつけて油で揚げたもの。つまりは果物の天ぷらです。
チェンパダはジャックフルーツに似ていますが、ジャックフルーツよりも濃厚な甘さ、身がやわらい、香り高いのが特徴。揚げることで甘さが増し、実がとろりん。汁気と酸味のない果物で、揚げて食べるのにぴったりです。
チェンパダの季節になると、果物屋台や夜市で販売。揚げたてをハフハフして食べましょう。
チェンパダ・ゴレンはどうやって食べる?
揚げたてが一番おいしいです。とろっと溶けた実は火傷しそうなほど熱いのですが、冷めるとあまりおいしくないので、ここは気合いの入れどころ。なかの種をがりっとかまないよう、ね。
チェンパダ・ゴレンを初めて食べる人へ
チェンパダは、もちろんフレッシュな生の状態でもおいしく食べられますが、身がやわらかく保存が難しいからか、はたまた、揚げたときのとろっとした感じがみんな大好きだからなのか、生より、揚げて食べるほうがポピュラーのようです。
個人的に思っているのですが、果物揚げのおいしさは、マレーシアは世界でトップクラス。バナナ揚げ、ドリアン揚げ、そしてこのチェンパダ揚げ、最高です。
路上の移動式屋台や夜市など、オープンエアの店で提供しています。
ミニエッセイ「思い出に刻まれるのは」
何これー! めちゃおいしー!でも熱ーーっ!!これが、私が初めてチェンパダ・ゴレンを食べたときの気持ちだ。同じような感情と興奮を味わったのは、日本での体験を思い出すとあれ、いちご大福と揚げまんじゅう。どちらも味覚の枠がぐんと広がった衝撃的なおいしさだった。ふり返ってみると、チェンパダ・ゴレンを食べたのは、今まででたったの2回。それなのに、おいしさが記憶は鮮烈に蘇る。おいしいが心に刻まれるのは、食べた回数は関係がないんだね。
Memo
ナイトマーケット(夜市)やおやつ(揚げ物計)専門店で、ピサンゴレン(バナナ揚げ)とともに提供されている。
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