マレーシア料理図鑑45/おやつ/中級★★★★/マレーシア料理の奥深さを知りたい人/
カリカリの魚せんべい。揚げたてがおいしい。写真はクロポ工場で撮影したもので、右はイカで作ったクロポ。これはあまり市場に出回っていないレアな味
クロポを解説
クロポは魚や海鮮(とくに海老)を原料にしたチップス。しょっぱい系おやつの人気No.1です。
色がグレーなので見た目は地味ですが、食べてみると、カリッと香ばしく、魚の風味が思った以上に濃厚で食べ応えのある厚めの食感に、わっ!おいしい!となります。
スーパーや市場では“揚げる前”のクロポをよく売っています。厚さは約1ミリ、形は長方形、色はグレーか、薄い褐色。調理法は簡単で、たっぷりの油で素揚げ。数秒であっという間にできあがり。揚げたては最高です。
クロポを見つけてみよう
クロポは、チップスタイプに加えて、しっとりタイプもありクロポレコーeropok lekorと呼びます。クロポレコーはとくにマレー半島東海岸の名物で、見ためは丸太、棒状の黒はんぺん。味も似ています。蒸したり揚げたりして、チリソースをつけて食べます。
クロポを初めて食べる人へ
揚げたて熱々のクロポは、魚の香りが口いっぱいに広がる味で、子どもちゃんのおやつにも、ビールのおつまみにもぴったり。
ちなみに、クロポをよく食べるのはマレー半島北部に位置するクランタン州、トレンガヌ州、ケダ州など。魚がよく海岸沿いの地域です。以前、ケダ州のクロポ工場を見学したら、イカンビリス(カタクチイワシ)、タンブン(イワシ)、クンバン(サバ)、さらに海老とイカ、計5種のクロポを製造していました。多種!
そうそう、揚げる前のチップスは保存が効くので、お土産にもおすすめ。
ミニエッセイ「クロポとご飯」
クロポはおやつであると同時に、ご飯に合わせる変わり種おかずでもある。…と知ったのは、日本でマレーシア人の家に遊びに行ったときのこと。食卓に並んだナシレマッのおかずのなかに、クロポを発見! 隣りの人がやっているように、ひと口サイズに割って、ご飯に混ぜてみたら、カリカリ食感が絶妙なアクセントで、魚の風味はご飯に合うし、これはいい! きっと故郷マレーシアから持ち帰り、ここぞというときに揚げて食卓に登場。日本在住のマレーシア人にとってクロポは、故郷の香りを運んでくれる大事な味なのだろう。
Memo
写真はケダ州のクロポ工房で撮影したもの。この工場では、カタクチイワシ、イワシ、サバ、エビ、イカの5種のクロポを作っていた。そのときの記事はこちら。
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