Nasi Kerabu
マレー半島北東部のソウルフード。青色が目をひくサラダ飯
さわやかなハーブにココナッツの香り。シャキシャキ野菜の食感も楽しい混ぜごはん
「ナシ Nasi」はご飯、「クラブKerabu」はサラダのこと。もやしやインゲンなどの生野菜に、レモングラスや「ダウンクスン」(タデ科のハーブ)などのハーブ、パラパラのココナッツフレークをご飯にトッピング。そこに、塩気の強い魚醤(ブドゥ)やサンバルをタレとして混ぜて食べる料理です。ひとことでいうなら、野菜中心の混ぜごはんで、揚げ魚などおかずを追加トッピングも可。あっさりした味なので、暑い気候でもさらっと食べることができます。さて、この料理の特徴は、なんといっても、見た目。ご飯が青いんです。 マレー半島北東部の町、コタバルの市場で初めて見たときは目が釘付けになり、食べてみれば、あら、おいしい。この青は、バタフライピー(マレー語はブンガ・トゥラン)という朝顔によく似た花の色。バタフライピーから煮出した青色は、香りも味もしない、ただシンプルに見た目を“映え”させるという優れもの。そして、屋台で青色のご飯を発見すると「この店にはナシクラブがある」という印にもなります。この料理のおかげで、最近のわたしは、青色を見ると食欲が沸く、という思考に変化しております。
★マレーシアの青いごはん文化のナゾを解く記事はこちらに
➡ WAU 27号「なぜごはんが青い?」
memo
マレー半島の北東部クランタン州やトレンガヌ州で食べられているナシクラブ。友人によると、お母さんが庭で咲いていたバタフライピーの花を摘んで、ぽいっと炊飯器に入れて作っていたのだとか。そのため、“まだら青”のこともある。最近では、クアラルンプールでも人気になっていて、カンポンバル・エリアの「Kak Som」やレストラン「Delicious」で提供している。
Photo
コタバルのバスステーションで。たしか…2リンギットぐらい、2013年
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