マレーシア料理図鑑61/おかず/中級★★★★★★/料理に詳しい人や食べ比べたい人へ/
マレー半島北東部のソウルフード。青色が目をひくサラダご飯で、さわやかなハーブやココナッツの香り、シャキシャキもやしやインゲンの食感も楽しい。写真はコタバルのバスステーションで食べたもの
ナシクラブを解説
目をひく青い混ぜごはん。マレー半島北東部のソウルフードで、最近はクアラルンプールでも人気です。
名前の意味は、ナシ Nasi はご飯クラブ Kerabu はサラダ(あえもの)。ご飯の上に、もやしなど生野菜や独特な香りのラクサリーフ(タデ科)甘い香りのココナッツサンバルをトッピング。そこに、タレとして塩気の強いとろっとした魚醤(ブドゥ)やトウガラシとココナッツ作ったココナッツ・サンバルを好みで、混ぜて食べます。
野菜中心の混ぜごはんであっさり味。揚げ魚などおかず追加も可能です。
ナシクラブはどうやって食べる?
ぜんぶ混ぜて、ではなく、とくに、タレのブドゥ(黒)やサンバル(茶)は味が濃いのでちょっとずつ混ぜて楽しみましょう。
ナシクラブを初めて食べる人へ
あっさり味の混ぜごはん。といいながら、ココナッツサンバルの甘い香りや野菜のシャキシャキ食感など多彩な味。ナシクラブの目印は、青いご飯です。
最初、美しい青色に衝撃を覚えましたが、食べてみれば、あらっ、おいしい。ちなみに、青色は、バタフライピー(マレー語はブンガ・トゥラン)とよぶ朝顔に似た花を煮だしたもの。無味無臭なので、シンプルに見た目だけを映えさせる優れものです。
青色は食欲をそそらない色、というのは迷信でした。なぜなら、今は青色がめっちゃおいしそうに見えますもん。
ミニエッセイ「なぜ青い?」
ナシクラブの青色について考えてみる。始まりは、食欲のない子どものためにお母さんが見栄えをよくしたい、とご飯を青色にした、という説がある。ありそう。そして現在、なぜ青色にするかというと「この料理はナシクラブだよ」とアピールするため、つまり、目印だと思う。というのもマレーシアには、ナシレマッ、ナシミニャ、ナシダガンなどご飯に特徴の ある料理があり、見分ける時に役立つのだ。ちなみに、マレーシアの友人によると、庭に咲いたバタフライピーの花を摘んでそのままぽいっと炊飯器に入れて作るので“まだら青”に仕上がっていたという。
memo
最近では、クアラルンプールでも人気になっていて、カンポンバル・エリアの「Kak Som」などで提供している。
★マレーシアの青いごはん文化のナゾを解く記事はこちらに
➡ WAU 27号「なぜごはんが青い?」
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