マレーシア料理図鑑55/おかず/中級★★★★★/アジア料理に詳しいならここも/
海老とココナッツの香りがふわり。もち米ラバーにおすすめの南国ちまき。写真はマラッカのニョニャおやつ店で買ったもの
プルッウダンを解説
バナナの葉に包まれたもち米のおやつ。おにぎりのように具入りです。
具は干し海老とココナッツフレークをあえたもので、しょっぱ甘い味。ほのかにトウガラシの辛味もあり、ココナッツのいい香りとともに、ご飯によく合います。
ご飯のもちもち食感、海老とココナッツの香りのよさ、ほんのりスパイシーな風味。この3つの味のハーモニーで、まさに“南国ちまき”という印象。
小腹が空いたときのエナジー補給に最適です。
プルッウダンはどうやって食べる?
葉っぱをむいてどうぞ。路上の屋台で買うと、炭火でかるく炙って温めてくれることもあります。
プルッウダンを初めて食べる人へ
もち米ラバーにおすすめです。中華粽のような、また、炭火やフライパンで焼くことで、ご飯の表面をカリッと香ばしくし、焼きおにぎり的なおいしさもあります。
葉っぱを開いたとき、いい香りがふわっと漂うのはご飯そのものにもココナッツミルクで香り付けをしているから。
ちなみに、マレーシアには葉っぱに包まれたおやつがたくさんあり、外見からは味の想像がつきません。店の人にどんな味か聞いてみてね。
ミニエッセイ「思い出す味」
マレー半島、ケダ州タンジョンダワイの露店で買ったプルッウダン。一緒に食べたのは友人ファミリー。毎週、学生寮で暮らす娘さんに会いにいき、近くの屋台であれこれおやつを買って、広場でみんなで食べるのがルーティン。そこに私も加えてもらったのだ。店主が炭火で炙ってくれたプルッウダンは熱々。葉っぱをむくとご飯の外側はおこげのように香ばしく、中はやわらくてもっちり。具のバランスもよく絶品の味だった。食べ終わり、娘さんを学生寮に送って帰路へ。おいしさに寂しさがにじんだ。
Memo
マレーシア全土で食べられるおやつ。マレー系屋台やニョニャ系のおかし店で販売。葉っぱに包まれているおやつはいくつもあるので、名前をしっかり確認して買おう。Pulut Udang(プルッとはもち米、ウダンは海老)、Rempah Udang(ルンパは“合わせスパイス”) 、Pulut Panggang(パンガンは焼く)と呼ばれている。
Memo
葉に包んだ状態で一度フライパンや炭火で炙ることで、今度はもち米からココナッツミルクが外にしみ出し、葉っぱに油分を与えて乾燥を防ぐ効果も。だから葉っぱ部分が黒くなっている。
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