マレーシア料理図鑑15/ご飯もの/基本★★/2度目のマレーシアならここを攻める/
熱々に沸騰し、土鍋ごとテーブルに運ばれてくるトロトロ粥。昼に食べると立ち眩み必須なので、朝か夜に食べるのがおすすめ。夜食も胃にやさしい。写真はクアラルンプールの粥専門店
マレーシアの粥事情
マレーシアの粥をひと言で表現すると“変幻自在のパワー飯”です。
具を肉系に(鶏肉や豚団子など)すれば、育ち盛りの人も満足するボリュームだし、塩卵やピーナッツでシンプルにおさめると、食欲のない朝でもするする食べられます。
クアラルンプールで人気の粥は、生米から米粒がなくなるまでじっくり煮込んだ、中国系の広東粥。トロトロの食感で、鶏スープで炊いた滋味深い味が特徴です。
水分多めでサラサラした中国系の潮州粥、おじや風のマレー系ブブール Buburもあります。
大盛りなのはなぜ?
粥が運ばれてくると、大盛り!と驚くことが多々。なぜなら、粥は消化がいいので、たくさん食べてもすぐにお腹がすく、とマレーシア人は考えているから。たしかに、食べても食べても減らない大盛りでも、胃もたれなしで、だいたい2時間後にはお腹が空くという粥マジック。インディカ米ということもあり、トロトロながらもサラッと味わえます。
マレーシアで粥を初めて食べる人へ
人気の広東粥は、店によって様々な具が用意されています。私が好きなのは、豚団子とピーナッツ。ピータン、塩卵、干し牡蠣もいいですね。豚団子と塩卵、のように、2〜3種の具をミックスするのがお決まりです。
めずらしい具で、食べたことがあるのは、コイの刺身、カエル(骨付)、大海老。そうそう、豚の腸をカリカリに揚げたものも人気の具です。
ちなみに、ケンタッキーの朝メニューは、広東粥風チキン付きポリッジがあります。味がしっかりで、腹持ちもGood!
ミニエッセイ「熱々粥の洗礼」
粥は大好物。だけど、苦い思い出もある。粥専門店で、ランチをしたあの日。気温は30℃をゆうに越していたと思う。扇風機が遠くて風がとどかない。無風だ。ぐつぐつ、熱々の土鍋粥が運ばれてきた。これは熱い。熱すぎる。でも我慢して食べ始めた。すると、だんだん体内が熱くなって、あれ、座っているのに立ちくらみが…。なんと、粥を食べながらプチ熱中症になってしまった。そんな私をよそ目に、ハフハフとおいしそうに粥をほおばるマレーシア人。南国育ちに完敗だった。
Memo
粥は夜食としてもよく食べます。夜10時過ぎに、5歳くらいの子供から父ちゃん、母ちゃんまで、家着姿で粥屋台に集まる家族を何度も見たことがあります。
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