マレーシア料理図鑑04/パンもの/基本★/初マレーシアでおさえて欲しい料理/
甘いカヤをサンドしたマレーシアのモーニング。おやつにもよく食べる。伝統的には、パンは炭火で焼いている。写真のカヤトーストは、ペナンの行列店Toh Soonのもの
カヤトーストを解説
とてもシンプルな味で、トーストに、カヤとよぶココナッツミルクと卵で作った甘いスプレッドを塗ったもの。
カヤは、マレー語で“裕福な”という意味で、カスタードクリームのようなリッチな甘み。そこに塩気のあるバターもサンドして、あまじょっぱい味に仕上げます。
マレーシア全土、つまりマレー半島からボルネオ側まで、家でも、店でも、朝食にも、おやつにもよく食べられている日常食。その証拠に、カヤトーストだけでなく、ロティ・バカール(焼いたパン)、ロティ・カウィン(結婚パン)、ロティ・キアップ(サンドパン)など、様々な呼び名があります。
カヤトーストは何と食べる?
カヤトーストは、半熟卵(2個)とコピ(kopi)のセットが定番です。コピとは、ネルドリップでいれる深みのあるローカル珈琲で、甘いカヤトーストによく合います。
カヤトーストを初めて食べる人へ
カヤの甘みとバターの塩気という、禁断ともいえる甘じょっぱいコンビを楽しんで。店によってはバターが厚切りでカロリー的にハラハラしますが、これがまたおいしいのです。
半熟卵は、卓上の白胡椒としょうゆで味つけを。次に黄身を軽くつぶしてカヤトーストを浸し、黄身をからめて食べてね。甘じょっぱさに、卵のまろやかさがオンという、これはもう、得も言われぬ美味です。
専門店やカフェで提供しています。また、もっと気軽に試したいなら、宿泊しているホテル朝食のパンコーナーに注目。バターやジャムの近くにカヤがあります。地味な茶色なので、お見逃しなく。
ミニエッセイ「情熱ほとばしる」
たかがトースト、されどトースト。マレーシアのカヤトーストの存在は大きい。というのも、提供する店側のこだわりがすごくて、たとえばトーストを香ばしく焼くために店内に炭火の焼き場を設置したり、消費期限3日のカヤを日々仕込んだり、上質な高級卵を使っていたり。食パンの厚さ、焼き加減で、地域差や店の特色を出したり。そうそう、ペナンの路地裏にある専門店が数時間待ちの大行列だったり。カヤトーストにかけるマレーシア人の情熱は、トースト好きな名古屋人もビックリだろう。
Memo
カヤは商品化され、スーパーで売られていますが、専門店の手作りに注目。たとえばYut Kee Restaurantのように、レジ横に瓶詰のカヤが売られていたり、夜市のブースで販売していたり。市販のよりも賞味期限は短く(3日~2週間程度)、持ち帰りにくいけど、断然おいしい。また手作りもオススメ。こちらのレシピをチェック。簡単ですよ。
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