マレーシア料理図鑑76/おやつ/上級★★★★★★★/専門店提供、めずらしい料理/
かわいい見た目で、食感や味のバランスも絶妙。屋台料理ではなく、レストランで食べるニョニャ料理の代表格。写真は、マラッカのレストランで食べたもの
パイティーを解説
パリッと揚げたひと口サイズの食べられるカップに、野菜、卵焼き、海老などの具入り。ニョニャ料理で人気の前菜です。
ニョニャ料理とは、プラナカンとよばれる人々が作る料理。もともと各家庭で受け継がれてきた秘伝の美食レシピで、近年になり専門レストランで提供されるように。多彩な食材を使い、凝った調理法なのが特徴で、このパイティも、カップのパリパリ感や多彩な味覚が楽しめます。見ためのカラフルさもさすが!
パイティーはどうやって食べる?
添えられているチリソースをちょっと垂らしてどうぞ。店によっては、パリッとしたカップの食感が楽しめるように、その場で中身をつめる場合もあります。
パイティーを初めて食べる人へ
具は野菜で、さっぱりした味。カップの形から、トップハットTop Hat(シルクハット)と呼ぶこともあります。
ニョニャ料理のレストランはマラッカとペナンに多数あるので、旅で訪れたら、ぜひ訪れてみて下さい。ちなみに、調べてみると、パイティはシンガポールうまれ、という説があります。中の具がポピア Popiah(春巻)そっくりなので、シンガポール・ポピアと呼ばれていた時代もあるとか。
ミニエッセイ「究極の多国籍料理」
ニョニャ料理は、マレー料理と中国料理のミックスとよくいわれるが、それだけでなく、タイ、インドネシア、インド、さらにヨーロッパの影響も受けている。地元の女性の食であるマレー料理。中国人移民が持ちこんだ中国料理。タイ、インドネシアは地理的に近く、マレー半島に古くから訪れたインド商人が持ちこんだスパイスを使った調理は、マレー料理の原点ともいえる。さらに富裕層であったプランナカンは、宗主国ヨーロッパの食文化もとり入れ、ニョニャ料理をモダンに発展させた。すばらしい味は時代を映している。
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