マレーシア料理図鑑86/ご飯もの/上級★★★★★★★★/地域限定食、ハレの日の料理/
色と香りでおめかし、そのため味も食べる方の気持ちもUPさせる名脇役の。ギー効果なのか、まろやかな風味で、ついつい食べ過ぎる。写真はトレンガヌの屋台で食べたもの
ナシミニャを解説
結婚式の定番、お祝いのご飯です。ギーを加えて炊いているので艶があり、見ためはカラフルで華やか。
味は、店によりますが、スパイスの香りがほのかに漂う程度でシンプルなことがほとんど。どんなおかずとも相性グーです。
マレー半島北東、クランタン州やトレンガヌ州で人気の料理。じつはこれらの地域、米料理の宝庫! ナシミニャ、ナシレマッ、ナシクラブ、ナシダガンと、ナシ(ご飯)の宝庫! さらに、もち米プルッとの料理もあって、おすすめは塩魚を合わせたプルッ・イカンマシン。
ナシミニャは天気雨ご飯
赤、黄、緑など、ご飯にカラフルな色をつけるナシミニャ。この色を「ナシ・フジャン・パナス Nasi Hujan Panas」とよびます。フジャン・パナスとは天気雨のことで、このカラフルさは天気雨後の虹を表現しているそう。
ナシミニャを初めて食べる人へ
ナシはご飯、ミニャは油というシンプルな名前の料理。香りがよく、カラフルで見栄えがいいことから祝いの料理として提供されます。
さて、現地のレシピ本を調査すると、様々なスパイス入りのものもありました。シナモン、八角、カルダモン、クローブ、そこにローズウォーター、フライドオニオンも…ってこのレシピ、肉無しのビリヤニといってもよさそう。ポイントで色付けするのも似ているし、何かつながりがありそうです。
ミニエッセイ「ところ変われば」
初めて食べたナシミニャは、日本に留学中だったマレーシア人の手料理。トレンガヌ州出身の方で「自慢の故郷の味です」と教えてくれた。ご飯のところどころが黄、赤、緑に染まっていてかわいらしい。理由を聞いてみると「結婚式用に華やかにします」とのこと。パラッした食感、ふわっと香るスパイス感がとてもおいしかった。あれから10年が経ち、先日久しぶりに帰国した彼と、マレーシアで会った。作ってくれたナシミニャの思い出を話したら「そんな時代もありましたね。ここマレーシアでは色々食べられるので、もう料理は作っていません」と笑っていた。
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