Nasi Kuning / Nasi Kunyit
華やかな黄色で気分が上がり、もっちり食感で満たされる祝い飯
マレーシアのお赤飯的存在。ルンダンなど濃厚おかずと相性抜群
古代より、命の源である太陽の色に近いとして敬われていた黄色。マレーシアでは、王室の色でもあり、一般の人は使う場面を選ぶそう。そんなめでたい色のご飯が、ナシクニンです。ターメリックを溶かした水にもち米を浸して美しい黄色に染め、蒸して作ります。味はふつうのご飯。おかずと一緒に食べ、とくにココナッツミルクとスパイスで煮込んだ肉料理ルンダンは、濃厚グレービーソースがもっちり食感を引き立て、相性バッチリです。さて、ナシクニンは祝い席の定番料理。神聖な黄色であること、またお赤飯のように常温保存でもおいしいのが、宴の席で重宝される理由でしょう。そういえば以前、ペナン出身のアスリシェフが「ナシクニンは男の子の成人の儀式、割礼のときに村の大人たちの宴でよく食べられたよ」と教えてくれました。「でも、割礼をうけた本人はもち米だから食べられない」とも。傷口にもち米が良くない、といわれているそう。また、妊婦さんの安産を願った儀式「Melenggang Perut」にもナシクニンは登場するそう。華やかな黄色のご飯が食卓に並んでいる様は、人々を視覚からめでたい気分にしてくれるのです。
Memo
ナシとはご飯、クニン(kuning)は黄色のこと。また名前がクニンではなく、クニッ(kunit)=ターメリックなっていることもある。蒸したあと、ココナッツミルクを少量混ぜて、ほのかに甘い香りをつけるのも特徴。
Photo
トレンガヌ州の屋台にて、2013年
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