マレーシア料理図鑑72/おかず/上級★★★★★★★/専門店提供、めずらしい料理/
姫の肌のように真っ白で、光沢のある蒸し麺。甘い味噌のようなソースや辛くないチリソースをかけて食べる。写真はクアラルンプール国際空港(KLIA 2)のレストランで食べたもの
チーチョンファンを解説
真っ白で艶のある麺。つるんとした舌触りに、やわらかい食感です。
タレをかけて食べます。甘い味噌のようなソース(海鮮醤)、辛さひかえめのチリソース、ときにカレーソースをかける店も。具は、フィッシュボールやフィッシュケーキとよばれる魚のねりものが主流です。
あっさり味なので、朝ごはんとしても人気です。
チーチョンファンはどうやって食べる?
地域や店でタレや具が違い、中には麺の本数、具、ソースの種類をお客さんが選ぶタイプも。ちなみに、香港で人気の豚腸粉もあり、こちらは点心店の定番メニュー。
チーチョンファンを初めて食べる人へ
つるんと滑らかな食感にもちっとやわらかいチーチョンファン。私の味のイメージは、麺というよりよく食べた餅(もち)に近い感じ。言語化するなら、キメが細かい薄い餅で、どれだけでも食べられそう!
というのも、チーチョンファンは水を加えてつぶした米の汁を薄くのして、蒸したもの。くるくると丸めて筒状にしたり、幅広の麺状にして食べます。
料理名が「豚腸粉」と字面が強めですが、胃が疲れ気味のときでもおいしく食べられます。
ミニエッセイ「うれしくなるのは」
チーチョンファンといえば、思い出す店のオーナー夫婦がいる。同僚が連れていってくれたホーカーセンターの一角にある店。具を何にしようか悩んでいたら「私、日本に住んでいたよ」と日本語で話しかけられてびっくり。仕事で数年間、夫婦一緒に日本で暮らしたそうで「でも、日本語忘れちゃったね」と。それから、次に行ったときも同じ会話。その次も…と、くり返すいつものネタに。おかげで、20年近く経った今もチーチョンファンを食べると、あの夫婦の笑顔が頭に浮かび、うれしくなる。
Memo
クアラルンプールのチーチョンファンは、さつま揚げに似た魚のすり身を具に入れる。きっと、さぬきうどんのように生姜醤油で食べてもおいしいはず。
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