マレーシア料理図鑑17/麺もの/基本★★/2度目のマレーシアならここを攻める/
具が、海老、腸詰め、にら、もやし、卵などたくさんのった豪華焼き麺。つるっとした幅広麺の食感が独特。サンバルや中国醤油をつかって、コクのある辛味と香ばしさがやみつきに。写真はペナンで食べた絶品の一皿
チャークイティオを解説
あぁ食べたい! と無性に恋しくなる麺料理です。
米由来の幅広麺(粿條=クイティオ)を炒めたもの(チャーは炒めるの中国語)で、つるっとした舌触りに、餅のようなもちっとした弾力がたまりません。乾麺ではなく、生麺を使うのもポイント。
味は、にんにくの香ばしさに、黒醤油のコク、辛味調味料サンバルの旨辛さ。香りよし、コクよし、辛すぎない。それでいて食欲を刺激する辛さもあって、思わず一気食い。
具は、海老やソーセージなど、よく食べられているミーゴレンに比べると、豪華です。なお、ペナン発祥の麺料理といわれます。
チャークイティオはどうやって食べる?
食べるときに注意したいのは、つるつるテクスチャーの麺なので、塗り箸で持ち上げにくいこと。洋服にソースが飛ばないようにね。
チャークイティオを初めて食べる人へ
マレーシア全土で食べられる人気麺です。日本で知られている、タイのパッタイに似ていますが、パッタイより醤油系の香ばしさが強く、色が黒めです。
人気料理がゆえにマレーシアのどこでも食べられますが、店によって味にバラツキがあるので、お客さんの多い店で頼みましょう。
あと、中華ソーセージ入りを希望なら、華人系料理人が腕をふるう店を選んでね。
発祥の地、ペナンであれば、どこで食べてもおいしい! ただし、ペナンのものは、大ぶりの海老を使うことが多いので、他の麺に比べると多少値がはります。
ミニエッセイ「店名が無くても覚えられる店」
ペナンにはチャークイティオの名店が多数ある。それらは一様に、味に加えて、なぜかユニークな特徴を持っている。たとえば、料理人が赤いベレー帽をかぶり、ときにゴーグルもつけるファッション系。何十年も、裸足でチャークイティオを作り続け、それが店名になっている肉体派。昔ながらの炭火を使った小さな移動式屋台が、人気が出て、大きな店に拡張したにもかかわらず、厨房はずっと元の小さな屋台のままだったノスタルジック系。そんなユニークな店が、地元の人でにぎわっているペナンが、とてもいい。
Memo
思い出深い味は、ブキビンタンにある屋台。どこからどう見ても、ふつうの小汚い(失礼)屋台なのですが、香港の有名歌手が訪れたという噂があるほどの人気店。運ばれてきてびっくり、とにかく具が贅沢なんです。プリプリ食感の大ぶりの海老、脂がじゅわっと染み出る腸詰め、味の濃い赤貝、シャキシャキのもやし、ふわふわのとき卵。そして食べ進めるごとに口の中で存在を主張するこのカリカリ感……ん?豚の脂身だ!揚げた3ミリ角の豚の脂身が、隠れキャラのようにときどき出現し、カリッと噛めばジュワッと脂が溶け出します。うまし! よくよく考えたら、油をたっぷり吸った麺に、豚の脂身がのっているわけですから、鼻血が出そうなくらいハイカロリーなひと皿ですが、おいしいので目をつぶります。
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