マレーシア料理図鑑37/おかず/中級★★★★/マレーシア料理の奥深さを知りたい人/
すり身三昧、野菜たっぷりで、在馬日本人の間でマレーシア版おでんと呼ばれる。写真は、クアラルンプールの客家屋台で
ヨントウフを解説
豆腐、オクラ、茄子、苦瓜などに魚のねりものを挟んだ料理です。ってなんのこっちゃ、ですが、ようは、野菜とすり身を使った料理。ヨントウフ好きの日本人の間では“マレーシアのおでん”と呼ばれています。
基本は、鶏スープに入ったあったかい味。そのほか、特製の甘醤油ダレをかけたり、カリッと揚げてチリソースをつけたりも。
さらに、麺の具や点心の一皿など、意外にも多様な場面で登場します。ビールのつまみにしてもよし、ご飯にもよく合いますよ。
ヨントウフはどうやって注文する?
好きな具を好きな数、注文できます。たとえば、店頭のトレーから選んだり紙に書いて注文するパターンもあり。そうそう、卓上にチリソースがあったら、小皿に出して、つけてどうぞ。
ヨントウフを初めて食べる人へ
マレーシア料理初心者のみならず、マレーシア料理が苦手な人でさえもおいしく食べられる日本人好みの味です。
人気の具は、豆腐、オクラ、苦瓜。苦瓜は日本のものに比べて苦さは弱め。揚げ湯葉、揚げすり身、ときに揚げ餃子を提供している店も。(揚げ揚げ天国!)
ちなみに、オリジナルは豆腐に豚肉を詰めた「醸豆腐」。中国の客家料理です。マレーシアで進化?!を遂げ、バラエティ豊かな野菜を使うようになりました。野菜のカラフルさにもテンションの上がる料理です。
ミニエッセイ「赤トウガラシで運試し」
日本人好みの味のヨントウフ。ところが、大きな注意点がある。それは赤トウガラシのヨントウフがあること。マレーシアに住んでいたころ、会社の同僚とヨントウフを食べにいくと、かならず最後に赤トウガラシが残る。さて、誰が食べようか。シシトウぐらいの平気な辛さもあれば、ときに、ヒーッ!となるぐらいの激辛もある。こればかりは食べてみないとわからない。まるでロシアンルーレットに参加してるように、食べる人も周りの人もハラハラ。で、笑い。その恒例の、とくに特別ということもないあの時間が、今はとても愛おしい。
Memo
ヨントウフは、餃子の皮を豆腐や野菜で代用した料理とも言われている。オリジナルは豆腐に肉を詰めた中国の客家料理が起源だそう。
Memo
写真のヨントウフは、クアラルンプールのチャナタウンの店で。裏道にひっそりたたずみ、おばちゃんが1人で店をきりもり。人通りがほとんどない抜け道のような路地なのに、いつ行ってもおばちゃんはそこにいて、かれこれ10年以上、そこで商売をしている。すごいな、おばちゃん。ちなみにこのお店、客家麺(つるっとした汁無し麺)もおいしい。(コロナ後は無くなった模様)
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