マレーシア料理図鑑94/おやつ/上級★★★★★★★★★/マレーシア通やリピーターへ/
やわらかな蒸した米麺に、ココナッツの実と砂糖をパラリ。素朴な味ながら、香り高いココナッツの実とふっくら蒸しあげた米麺が贅沢なおやつ。写真はペナンの露店にて
プトゥマヨンを解説
米を練って整形して蒸した細麺。これに、フレッシュなココナッツの実と砂糖をかけ、甘いおやつとして食べます。麺といっても、すすったりはせず、かたまりで口にいれてかんで食べます。
それって……と思った方、ご名答です! インドやスリランカで人気のおやつイディヤッパン、ストリングホッパーと同じもの。
クセのない上品な味、食感はやわらかめ。素朴な味ながら生のココナッツの実を使うなど、現地ならではのおいしさです。
プトゥマヨンはどうやって食べる?
蒸したてがおいしいので、買ったらその場でどうぞ……と書きながらわかったのですが、“買ったら即食べて”という料理がマレーシアにはめっちゃ多いです。なかなか発見できない料理なので、お腹がいっぱいでも見つけたら即トライ。
プトゥマヨンを初めて食べる人へ
インド由来の人気の料理です。見ためは麺ですが、味や食べ方はご飯に近く、インド系民族の家庭ではカレーや煮込みと一緒に食べます。一方、露店で販売するプトゥマヨンは、砂糖をかけたおやつタイプが主流です。
さて、この麺の作り方は、穴の開いた専用の器具に生地をいれ、上からおし出して作ります。日本でたとえるなら、ところてん方式。
ちなみに、米麺であるラクサ麺も昔は同じ手法。1回におし出す量を1 borとよび、昔は、1 bor、2 borのように麺の量の注文もできたそうです。
ミニエッセイ「おいしい、は変わる」
おいしさとは経験値だと思う。プトゥマヨンを初めて食べたとき「そうめんに砂糖をかけたような変な味」と思った。変って、言い方はよくないがおいしい、とはならなかった。ところが、次にペナンの露店で食べたら「これ、おいしいやん!」となった。ココナッツの香り、椰子砂糖の甘さ麺のつるんとした食感。そうめんっぽさはそのままだったが、これがおいしい。旅先で食べた料理がイマイチだった時、それはもしかしたら、新しい味覚習得への一歩をふみだした瞬間かもしれない。
memo
プトゥマヨンを2回目に発見したとき、1回めの、素朴でありつつ香り高い味がしっかり記憶に刻まれていて、あのおやつだー!とうれしくてダッシュで駆け寄ったものです。インド系のおやつなので、インド系の住人が多いペナンで定番。といっても「一時帰国したらかならず食べます!」と熱く語ってくれた友人は華人系。インド由来ですが、今ではマレーシア人みんなに人気。
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