マレーシア料理図鑑79/ご飯もの/上級★★★★★★★/専門店提供、めずらしい料理/
さわやかなハーブの香りを楽しむ、あっさり味の混ぜご飯。見た目の美しさもポイント。写真は、ペナンで参加した料理教室で作ったもの
ナシウラムを解説
ハーブのさわやかさを楽しむ、あっさり味の混ぜご飯です。
料理名のウラム Ulam とはハーブや野菜のことで、様々な種類のウラムを細か~く刻んで、ご飯に混ぜます。あくまでもハーブが主役の料理で、味つけはあっさり。具でもある塩魚、干海老、海老の発酵調味料ブラチャンで、塩味とうま味を調味します。
ペナン人が、むかし、家でよく作って食べたと懐かしがる味です。
ナシウラムはどうやって食べる?
食べてみたいなら、ペナンのニョニャ・レストラン(とくにターメリック入りの写真のナシウラム)にいきましょう。おかずとに合わせて食べてもいいですし、シンプルにサンバルブラチャン(辛味調味料)と塩卵をアクセントにして、そのものを味わうのもよし。
ナシウラムを初めて食べる人へ
ペナン州、クランタン州、ケダ州など“ウタラ”とよばれる北部の地域でよく食べられています。
定番のウラムの種類は、ダウンクスン(タデ科のハーブ)、ペガガ(セリ科のハーブ)、トーチジンジャー(ショウガ科の花)、ウラム・ラジャ(キク科)、ミントなど。どのウラムにするかは作る人の気分次第だそう。
最近は、ニョニャ・レストラン(とくにペナン)で人気のメニュー。そうそう、クランタン州のナシウラムは、混ぜご飯ではなく、ナシとウラムを別々に盛り付けるスタイルです。
ミニエッセイ「手間をかけること」
ニョニャ料理の先生であるタリナさんにナシウラムを習った。いやー驚いた。こんなに手間がかかるとは。たとえば、海老の調味料ブラチャンは、フライパンで乾煎りして、水分を飛ばして、石うすで叩いて、パウダー状に。塩魚は干した状態なので、まず水で戻して次にフライパンで乾煎り。水分を飛ばしつつ骨と皮を除いたら、サラダ油を垂らしてカリッと揚げ焼きにしたら、石うすでつぶす。なんていう下処理をすべての具材でやり、これらの具をご飯に混ぜていく。のだけど、その混ぜる順番が決まっていて、それにはすべて理由あり。という、いやーすごい! 完成した料理は驚くほど美味だった。
Memo
ウラムの種類は、コブミカンの葉、ダウンクスン(タデ科のハーブ)、ペガガ(セリ科のハーブ)、レモングラス、コリアンダー、トーチジンジャー(ショウガ科の花)、ウラム・ラジャ(キク科、ヤサイコスモスともいうらしい)、ミント、カレーリーフ、バジル、ターメリックの葉
Memo
基本は外で食べるものではなく、家庭料理
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