ごはん&麺&パン

ルイ茶 Lei Cha / 擂茶

マレーシア料理図鑑36/ご飯もの/中級★★★★/マレーシア料理の奥深さを知りたい人/

客家料理にルーツのあるマレーシアで人気の野菜茶漬け。ハーブスープに、食感豊かな野菜と食べたらハマる味。写真はイポーのホーカーセンターで食べたもの感じたときに


ルイ茶を解説

肉無し、魚無しのベジ料理です。

ご飯に、チンゲン菜、ささげ、四角豆、塩漬大根、豆腐、ピーナッツなどの具がのっていて、鮮やかな緑色のスープと一緒に食べます。

緑色のスープは、ハーブがベース。バジル、ミント、コリアンダーの葉に緑茶、白胡麻、ピーナッツも加えてあり、ハーブのさわやかな香りのなかにナッツ系のコク深さもあります。ちなみに、これらスープの食材を“擂り”潰して作るので、ルイ(擂)茶です。

香り、食感が豊か。汁気たっぷりでサラッと食べられるので、暑い気候にぴったりの料理です。


ルイ茶はどうやって食べる?

スープ、具をそれぞれ味わったら、ご飯にスープをかけてどうぞ。全部一気にかけてお茶漬け状態にしてもおいしいし、少しずつかけて味わうのもオツです。


ルイ茶を初めて食べる人へ

スパイスや唐辛子を使っていないので、辛いものが苦手な人、子どもも安心。野菜たっぷりで胃もたれ知らず。それでいて満足感のある料理です。

初めて食べたときは、ご飯がスープの緑に染まって見た目が衝撃的だったのと、スープのさわやかなミント味が独特で驚きましたが、今では大好きな味に。

中国の客家がルーツの料理で、客家レストランや客家人のシェフが切り盛りする屋台で提供しています。

ちなみに、台湾にも擂茶があり、これは雑穀や茶葉をすり潰した飲むお茶。一方、マレーシアのルイ茶(擂茶)はご飯ものです。


ミニエッセイ「ルイ茶とグアバの棒」

マレーシアの友人から聞いた話し。彼はジョホール出身の客家系ファミリーで、正月や宴会には、家族全員でルイ茶を作ったという。具は15種以上もあり、それぞれ下処理をして、切って、味つけ。大変手間がかかるので、いつも家族総出。緑色のスープは、手作業で擂りつぶす。そのとき、香りのいいグアバの木のすりこぎ棒を愛用していたそうだ。「何年も使っていると、棒がだんだん短くなる。それが家族が一緒にご飯を食べた回数の証。でも、今はもう、グアバの棒も、家族でルイ茶も作ることもなくなってしまった」そう話す彼の横顔は寂しそうだった。


Memo
屋台のルイ茶は、写真のように具がご飯の上にのった状態で運ばれてくる。それに対して、客家レストランで提供されている高級ルイ茶は、具がそれぞれ別皿で運ばれてくることが多い。料理の発祥は、広東省の河婆(ホーポー)地方で、むかし戦の前にさまざまな雑穀をすり潰したお茶(ルイ茶)を飲んだところ勝利したので縁起の良い料理として始まったとか。擂という文字には、すり潰すだけでなく、太鼓をうつ、という意味もある。

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