マレーシア料理図鑑11/おやつ/基本★/初マレーシアでおさえて欲しい料理/
和菓子の「ういろう」にそっくり。もっちり食感があとをひく、ココナッツミルク入りのまろやかな甘さ。写真はクアラルンプールの菓子店「Nyonya Colors」にて
クエラピスを解説
米粉にココナッツミルクを混ぜて、蒸した伝統菓子。もっちりやわかい食感で、ココナッツミルクのアジアンな香り。2~3個ペロッと食べられるひかえめな甘さです。
見ためのしましまカラーが特徴で、クエラピスの「クエ」はおやつ、「ラピス」は層(レイヤー)の意味。一層ずつ蒸し上げるので、手間も時間もかかるおやつです。なぜ層になっているかというと、その昔、厚みのある生地に一気に火を通しのは難しく、すこしずつ蒸すことで質を安定させたためだとか。それが今ではシンボルになっています。
定番の色は、ピンク。赤系の色で縁起がいいことから祝いの席のおやつとして人気。
中国・客家の蒸し菓子「九層糕」にルーツがあるそうで、縁起のいい「九」の層に蒸したものもあります。
クエラピスはどこで食べられる?
ショッピングモールや屋台街にある菓子専門店で販売しています。また、ホテルレストランのビュッフェの菓子コーナーに、マレーシア菓子の代表料理として登場。日持ちがしない生菓子なので、買ってすぐに食べるのが鉄則です。
クエラピスを初めて食べる人へ
はじめて食べたとき、あれっ懐かしい味、と思いました。ほどよい甘さに、もちっとした食感が、日本の伊勢屋名古屋の名物、ういろうにそっくり。派手なピンク色に一瞬ひるみますが、このカラフルさは南国によく合うんです。
結構お腹にたまるので、食後ではなく、小腹が空いたときにぜひ。菓子専門店でのカフェタイムにもぴったり。
ミニエッセイ「子どもあるある」
クエラピスは、和菓子でいうなら、大福ぐらいの知名度の高さ。そのため、マレーシア人なら誰もが“クエラピスあるあるネタ”を持っている。そのネタでよく聞く話しがこちら。「子どものころ、白とピンクのしましまの層を1枚ずつ剥がして食べていたら、親に行儀が悪いからやめなさいと怒られた」。これって、わたしが子供の頃にやっていたポッキーのチョコだけ舐めるのと似ている!マレーシア人への親近感がまた増した。
memo
クエラピスは、もともとはプラナカン民族がつくるお菓子「ニョニャ菓子」の1種。人気が広まり、今ではマレーシア全土で食べられるようになった。ココナッツミルクを使っているため、購入した日に食べるのが鉄則
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