マレーシア料理図鑑91/おやつ/上級★★★★★★★★★/マレーシア通やリピーターへ/
周りにサクッとした食感が絶妙な砂糖をまぶしたイモのドーナツ。写真はマラッカの店で
クエ・ケリアを解説
サツマイモを使った素朴な甘さのおやつです。
外はカリッ、中はもちっ、ほくっの食感が特徴。中のもちっとした食感はサツマイモの生地によるもの。また、生地をリング状に成型後、高温の油でこんがり揚げ、砂糖でコーティングすることで、外側のカリッとした食感をうみだしています。
マラッカ州、ジョホール州で人気で、ときに1時間待ちの行列店もありますよ。
クエ・ケリアはどうやって食べる?
買ったらすぐに食べましょう。というのも、時間が経つにつれて外の砂糖が中にしみ込み、食感が失われるため。賞味期限は約5時間、という人さえいます。
クエ・ケリアを初めて食べる人へ
全体が茶色で地味な見ため。こういう飾り気のないおやつこそ地元の人に人気の味です。
家庭でよく作られていますが、調理の仕上げに、砂糖を再結晶化させて全体にからめるのが、かなり難しい技。そして、できたてをすぐに食べるのもおいしさのポイント。
ちなみに、見ためがそっくりの菓子で「クエ・ペニャラン Kuih Peneram」があります。こちらは小麦粉の生地に砂糖をねりこみ、鉄板で焼いたもの。
どちらも軽い口当たりで2、3個いけます。
ミニエッセイ「名前は重要じゃない」
マレーシアの屋台に並ぶ料理には名前表記がほとんど無い。それなのに、見ためがほぼ同じだったり、葉っぱに包まれて中がまったく見えないなど、どんな味なのか想像できないことが多々。料理名で検索できたらなぁと思ったりする。 でもこれ、地元の人も同じなのだ。店ごとに知らない料理があるのは当たり前。で、どうしているかというと、わからなければ、店の人に話しかける。これとこれはどう違うの? じゃ、これ買うね。こういう会話なので料理名は重要ではない。そもそも料理名を知らない人も多い。
Memo
クエケリアと同じ味で形違い(イモを小型化したか形)の「チェメモレCik Mek Molek」も素朴なイモのおやつ。ちなみに、屋台にはわたしたちにおなじみの小麦粉のドーナツもよく売っているのでお間違えのないよう。
地味な見た目なのは、もともと家庭で作っていたおやつで、家庭の味のおすそわけに近い感覚だから。屋台で買うと、パッケージなし、飾りもなし、ペラペラのビニール袋に入れてハイどうぞ、となる。インスタ映えは皆無だし、地味過ぎて見逃してしまいそうだが、地元の人の長蛇の列から人気の度合いがわかる。
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