マレーシア料理図鑑83/麺もの/上級★★★★★★★★/地域限定食、ハレの日の料理/
スープがグレー系で見ためは素朴。でも食べてみれば魚のうま味たっぷり。熱風が吹く屋外でもするする食べられる酸味のあるラクサ。写真はケダ州・アロースターで食べたもの
ケダ・ラクサを解説
マレー半島北西に位置するケダ州のラクサです。観光地として有名なランカウイ島やマハティール氏の生まれ故郷であるアロースターのラクサは、このタイプ。
魚だしに、酸味を加えたさっぱり味です。麺は、やわかい食感の太めの米麺でスプーンにのせて食べやすいようプツプツ短めに切ってあります。
じわっと汗の出る暑さでもするっと食べられるほどよい酸味が常夏のマレーシアにぴったりです。
ケダ・ラクサはどうやって食べる?
麺をスプーンですくってどうぞ。店によっては、刻んだトウガラシ(緑色 or 赤色)入りのことがあり、かむとヒッ!となるので、辛さが苦手な人は、よけてね。
ケダ・ラクサを初めて食べる人へ
カレー系のラクサとはまったく異なる味のラクサです。
魚だしと酸味で、スパイス感はゼロ。具は、キュウリなど生野菜とゆで卵。また、香りのいいショウガ科の花、カシューナッツの新芽などハーブものっています。写真の丸一尾の魚がのったタイプは、イカン・セコー Ikan Sekoqとよばれ豪華版のケダ・ラクサです。
ちなみに、この料理図鑑では、便宜上ケダ・ラクサと呼んでいますが、地元の店のメニューには単に「ラクサ」と表示されています。
ミニエッセイ「ラクサビュッフェ」
何ごとも最初が肝心。アロースターのホテルで教えてもらったケダ・ラクサの人気店は、そこからタクシーで20分ほど。ラクサ1杯のためにタクシーを使うのはちょっと大げさな気もしたが、地元の人がすすめる店はおいしいし、初めて食べるので失敗したくない。ということで、タクシーをつかって訪問。食べてみたら、おお、さすがのおいしさ!帰りも、同じタクシーでホテルへ。つい「ここのラクサ、おいしいね」と運転手さんに話しかけたら、「イエース!」と笑顔。あの笑顔も、おいしいの思い出を構成する大事な要素になってくれている。
Memo
専門屋台やナイトマーケットで提供。スープの香り付けにダウンクスンDaun KesomとブンガカンタンBunga Kantan、具にプチュジャングスPucuk Janggus(カシューナッツの新芽)というハーブを加えることも。家庭で作ることも多い。
Memo
酸味はペナンラクサと同じで果物を乾燥させたAsam Gelugor(アッサム・グルーゴ / アッサム・クピン、またはタマリンド)によるもの。スープにはペーストにした魚の身がそのまま入っていてうま味たっぷり。
Memo
つゆだく麺のような感じで平皿で提供。マレー系の方が作る麺で、箸ではなくスプーンですくって食べる。
★マレーシア全体のラクサ事情(たくさんあります!)はこちらの記事へ。