Laksa Johor
王様が好んだハイカラ・ラクサは、麺がスパゲティ!
ラクサ通なりたいなら必須。ただし旅先で見つけるのは至難の業
数あるラクサなかで、味、食べ方ともに個性が強く、だからこそ地元で熱烈に愛されているのが、マレー半島南部ジョホール州のご当地麺、ジョホールラクサ。じつはわたし、いまだ現地で食べたことがありません。というのもこのラクサ、断食月明けのハリラヤ(イスラム教徒であるマレー系マレーシア人にとって大事なお祭り)で食べる料理で、日本でいうおせちのように家での祝い膳に並ぶもの。最近では店でも食べられるようですが、伝統的にはお母さん達が手作りし、特別な宴の料理として提供される料理です。わたし、現地ではまだですが、ジョホール出身であるマシータさんの家で手作りラクサをいただきました(ある意味、これが本来の姿!)。これがおいしかった~。特徴的なのは麺がスパゲティであること。現地メディアによると「パスタが好きなジョホール州の王様のために、伝統的な米麺ではなくパスタでラクサを作ったのが始まり」だとか。魚や海老をにペーストにして加えた海鮮スープには、ターメリックやココナッツミルクを加え、サラサラのスープカレーのよう。具はきゅうり、もやしなどの野菜やハーブ。そこにキリッと辛いサンバルブラチャンを好みの量のせ、すこしずつ混ぜながら食べます。マシータさんのサンバルブラチャンは、生唐辛子、小海老を発酵させたブラチャン、砂糖を石臼で叩いてペースト状にしたもの。甘味と辛みが重なり合う奥深い味で、これがシャキシャキの野菜やさらさら海鮮スープに混じりあって美味! 食材をいくつも使い、手間をかけて作る特別な日のラクサ、大納得です。
Memo
ジョホールラクサはマレー系民族が作るラクサ。ちなみにマシータさんの家では、ラクサの具、スープ、サンバルブラチャンが別々の皿に盛られていて、食べる人が好きな具を好きな分だけ自分で皿にとり食べた。まるで麺のビュッフェみたいな楽しさで、さすがこれが宴の料理ならでは、と感じた。
★マレーシア全体のラクサ事情(たくさんあります!)はこちらの記事へ。
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日本のマシータさん手作り、2013年