マレーシア料理図鑑18/おかず/基本★★/2度目のマレーシアならここを攻める/
鉄板で香ばしく焼いた魚料理。魚料理のテッパン(ダジャレではない、、笑)の味で、タレの香ばしさと辛みがご飯にぴったり。写真はクアラルンプールのナシチャンプルの店で。
イカンバカールを解説
四方を海に囲まれているマレーシアでは、シーフードは日常食。なかでも定番の味が、イカンバカールです。
イカンは魚、バカールは焼く、という意味。つまりは焼き魚のことで、サバ、エイ、マナガツオ、ティラピア、ナマズなど様々な魚を使います。
味は、おもに旨辛ダレの“サンバル塗り”タイプと、“ターメリックまぶし”のシンプルタイプの2種類。どちらも香ばしく、ふっくらした身に仕上がげます。シンプルタイプは、別に用意されているトウガラシダレ(甘い醤油を使ったもの、酸味のあるチリソース、コク深いサンバルなど)をちょい足しして食べましょう。
イカンバカールはどうやって食べる?
ご飯と一緒にどうぞ。サンバル塗りタイプなら、そのままご飯にダイブ。トウガラシダレをつけるタイプなら味変を楽しんで。魚は骨付きなので、あせらず、骨を取り除いて、ゆっくりどうぞ。
イカンバカールを初めて食べる人へ
とくに海辺の町(ランカウイ、マラッカ、トレンガヌ、コタキナバル)の名物です。鮮度のいい魚を使うので、臭みはなく、辛すぎることもなく、食べやすい味。
魚の種類はバラエティに富んでいて、人気なのがエイ(Ikan Pari=イカン・パリ)。やわらかい食感で淡白な味。骨が大きく食べやすいのも人気の理由です。
ちなみに、マレーシアの魚の調理法は、イカンバカールに加えて、下記の2つも人気です
・イカンゴレン Ikan Goreng 中華鍋で、多めの油で揚げることが多い
・イカンパンガン Ikan Panggang 竹ではさみ、炭火や薪で炙る
ミニエッセイ「南国の焼き魚」
大都会クアラルンプールに、まるで時間を巻き戻したような、のどかな町がある。1890年代にマレー系農民のために整備され、現在も保護地区のカンポンバルだ。カンポンバルの人気店「Gerak23」。ご飯を中心に、好みのおかずを好きなように盛り付ける完全カスタマイズ式の定食店。ここの看板メニューは、イカンバカールだ。食欲をそそる香ばしい匂いに、見るからにおいしそうな肉厚の魚が鉄板の上でじゅうじゅう焼かれている。辛味ダレをつけ、ご飯と一緒にほおばると南国らしい、すべてを包み込むおいしさが口いっぱいに広がった。
Memo
サンバル塗りタイプのタレは、すり潰した唐辛子とシャロットをベースに、レモングラスや海老の発酵調味料ブラチャンなどを加えた旨辛のサンバルがポピュラー。なかでもサンバル増し増しのポルトガル・スタイル(クリスタン料理)が人気で、じつはバカール(bake)が蒸し焼きなのは、西洋由来のオーブン料理にルーツがあるのだとか。この増し増しタイプは、マラッカをはじめ、ジョホールやクアラルンプールなどマレー半島南部でよく食べられている。
Memo
魚全体にターメリックと塩をまぶしてバナナの葉に包んで焼くタイプもある。これは別皿で出てくる辛みダレをつけて食べる。どちらも白いご飯によく合う。
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