ごはん&麺&パン

フィッシュヘッドヌードル Fish Head Noodle / 魚頭米粉

マレーシア料理図鑑75/麺もの/上級★★★★★★★/専門店提供、めずらしい料理/

白濁したスープは、エバーミルクで風味をつけた魚だし。トマトや高菜の酸味が食欲をそそる。写真はイポーで食べたもの


フィッシュヘッドヌードルを解説

豚骨ラーメンのような白濁したスープが特徴の麺料理です。味も、豚骨スープのようなコクとまろやかさがあります。

スープのベースは料理名になっている魚の頭など、魚のアラ。コトコト長時間煮ているとスープは自然に白くなり、さらに、エバーミルクを加えてクリーミーな風味に。

店によっては豚骨や鶏ガラを加えるなど、まさに、日本のラーメンのように手間をかけて作る1杯です。


フィッシュヘッドヌードルのスープに注目!

大好きな店がイポーにあります。この店のスープは、魚のアラに加えて、丸鶏に、ナツメ入り。毎朝、大きな寸胴を3つ仕込み、無くなったら営業終了とのこと。 


フィッシュヘッドヌードルを初めて食べる人へ

「魚の頭の麺って何だろう?」と気になりつつも注文を躊躇していた方へ。ひと言で説明すると、魚だしのコクまろスープ麺です。

麺は、細めのビーフンでスープによくからみます。具は、衣をつけて揚げた魚、高菜そっくりの漬け物、トマトが定番。魚は骨付きが多いので注意してね。

高菜とトマトの酸味がいいアクセントで、暑くても、するっと食べられます。


ミニエッセイ「異国の味からわかること」

初めて食べた料理なのにおいしい、と感じられるのは、その味のどこかに、自分の経験の何かが触れているからだと思う。フィッシュヘッドヌードルが好きなのは、故郷の豚骨ラーメンを思い出すから。そのことで気づいた、私は豚骨ラーメンが好きだった。自分の顔を自分では見ることができないように、外の刺激がなければ、自分の輪郭をハッキリさせることはできない。それは面倒だけど、ある意味、おもしろい。だから私はマレーシアという異国を追いかけているのかもしれない。まだ知らない自分に会うために。


Memo
魚のほかにも、だしが出る食材がたくさん入っている。なかでも、トマトの酸味、高菜が塩気は、スープに奥深さを加えていて、とても合う。とうもろこしの甘みもいい。

具の揚げ魚は小骨たっぷりで、嚙むごとに容赦なく骨が口のなかで主張する。でもこれは、店側が手を抜いたとか、はたまた安いから骨付き部位を使った、というわけではない。マレーシアでは、鶏も魚も骨のまわりがおいしいとされていて、それをしゃぶることが、イコール美味を味わう、ってこと。丁寧に骨を口から出し、皿ではなくテーブルの上に骨を置きながら、のんびりと食を楽しむのがマレーシア流。このことを頭に入れておかないと、ときどき痛い目に合いますので、あしからず。

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