マレーシア料理図鑑02/ご飯もの/基本★/初マレーシアでおさえて欲しい料理/
ふっくらとした肉質に仕上がっているのは、丸ごと一羽で調理するため。また、チリソース以外、辛い要素がないので、子どもにも人気の料理。写真のチキンライスは、クアラルンプールの人気店で、ランチの約2時間で完売
チキンライスを解説
チキンライスとは、ゆでた鶏肉と鶏のゆで汁で炊いたご飯のコンビです。マレーシアで絶大な人気を誇るローカル飯で、専門店での提供になります。
チキンの調理法はいくつかあり、定番の「ゆで(スチーム)」に、皮を香ばしく焼いた「ロースト」。また、ほのかにスパイスの香りがするマレー系のナシアヤム(Nasi Ayam=チキンライス)もあります。
味の決め手はタレ。酸味の効いたさっぱりチリソースが基本で、生姜ソースを合わせることもあります。さらにチキンには、醤油と胡麻油のタレがかかっていて、つけあわせの野菜とよく合います。そうそう、マレーシアでは“骨の周りの肉がうまい”が定説なので、チキンは骨付きが鉄則です。
観光地マラッカやイポーには、全土から人が訪れるチキンライスの名店があります。マラッカのご飯はまん丸に握ってあったり、イポーはご飯ではなく麺を合わせるなど、特色があります。
チキンライスはどうやって食べる?
スプーンの端をナイフのように使って鶏肉を骨から外し、ソース(チリや生姜)をつけたら、ご飯と一緒に食べます。スープ付きの場合は、そのスープをご飯にかけ、雑炊っぽくするのも美味です。
チキンライスを初めて食べる人へ
鶏とご飯というシンプルな味であり、スパイスなし、チリソースを避ければ辛くないので、子どもも安心して食べられます(骨には注意してね)。
さて、ご存じの方も多いと思いますが、チキンライスは、シンガポールやタイでもよく食べられています。さかのぼること1850年代、中国の海南省から渡ってきた料理人が考案した料理といわれ、それが東南アジア各地に広がったので、そこから「海南鶏飯」ともよばれます。
マレーシア、シンガポール、タイなど、いろんな国でチキンライスはとても人気。こんなふうに、世界の食文化には、同じような料理が複数の国で親しまれている例はたくさんあって、食に国境はない、と感じるのです。
ミニエッセイ「いただく命」
マレーシアには、生前の動物の姿ままつまり丸ごと調理した料理がたくさんある。たとえば、チキンライスのチキンは丸鶏の状態で調理され、店の軒先に。ムスリムの祝いの席には丸焼きの羊。華人の春節には、これまた丸焼きにした子豚が店のテーブルの上に鎮座している。その姿は、衝撃的で残酷ですらある。けれど、その光景をしっかり見ることで命をいただいている現実を実感する。目の前でカットされた丸鶏が、見慣れた肉になる。その工程を目に焼き付ける。
Memo
チリソースは、鶏肉につけるだけでなく、スープにちょっと入れてもおいしい。チキンは骨付なので、スプーンをナイフのように使い、骨から外しながら食べる。またスープをご飯に2~3杯かけて、ご飯をさらっと食べるのがマレーシア流。
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