Ais Kacang / Ice Kacang / ABC
豆、コーンなど具だくさんなかき氷。栄養のバランスも考慮済み?!
カラフルすぎる見た目に怖気づくなかれ。ほくほく豆入りで食べやすい
マレーシアのかき氷は具だくさんでカラフル。これでもかっという具合にいろんな具が入っていて、まるで宝探しのようです。いちばんポピュラーなかき氷は「アイスカチャン」。カチャンとは豆のことで、豆入りのかき氷。日本の宇治金時にも小豆が入っていますが、アイスカチャンにおける豆の重要度は宇治金時のそれを超えています。なんといっても豆の種類が多い。甘く煮た小豆、食べごたえのある金時豆、さらにカリカリにローストしたピーナッツも立派に豆としてカウント。豆以外の具は個性派ぞろいで、黄色に輝くとうもろこし、ほんのり苦い漢方系の仙草ゼリー、透明な木の実など。これらの食感も味も異なる具が、ひとつのかき氷として成り立っているのは、“豆類”の大きな包容力によるもの。豆、さすがです! アイスカチャンにはこんなにもたくさんの具が入っているので、ときどき「マレーシア人はかき氷で栄養補給しているのではないか」と思います。実際、常夏の気候では氷はあっという間に溶けて、砂糖水のなかに豆たちがぷかぷか浮かぶ状態に。かき氷、もとい、豆入りの冷たいジュースになっても楽しめるのは具がたっぷり入っているから。そうか、具だくさんなのは、ひんやりおやつを常夏で楽しむための知恵だったんだ!(なお、マレーシア人いわく、かき氷はデザートではなく飲みものです)
Memo
具入りのかき氷のことを「ABC」という。「Ais Batu Campur」の頭文字をとったもので、「アイスバトゥ」は「氷」、「チャンプルー」は「混ぜ混ぜ」。そのABCのなかのひとつが、アイスカチャン。具やシロップの種類は店によって異なり、シロップはローズ味やサーシ味がポピュラー。練乳をかけたり、アイスクリームをのせたりすると、割高になる。
Photo
イポー、3.5リンギット、2015年
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