マレーシア料理図鑑24/おやつ/基本★★/2度目のマレーシアならここを攻める/
中から黒蜜がぷちゅっと飛び出す南国の団子。もっちり食感、甘さひかえめ、ココナッツ好きにはたまらない味。写真はマラッカのレストランにて。
オンデオンデを解説
ひと口サイズの甘い団子。もっちり、やわらかい食感で、中にコク深い甘さの椰子砂糖のシロップが入っています。
生地が美しい緑色なのは、パンダンリーフというハーブのしぼり汁を加えているため。色付け&香り付け(ゆでたての枝豆のようなほくほくした香り)が目的です。
また、外側の白くふわふわしたのは、ココナッツの実で、薄く削ったものが全体にまぶしてあります。
パンダンとココナッツという南国らしい香り。もちっ、とろっという食感も楽しい伝統菓子です。
オンデオンデはどうやって食べる?
ひと口で食べられるサイズ。というより、ひと口で食べて下さいね。なぜなら、半分に割ると、中からシロップがダーッと流れ出し大変なことになります(経験談)。
オンデオンデを初めて食べる人へ
ココナッツ好きならぜひトライ。菓子専門店や夜市で販売しています。ただ、日持ちがしない生菓子なので買ったらその場でどうぞ。
鮮やかな緑と白のコントラストに最初は驚くかもしれませんが、パンダン(緑)とココナッツ(白)という、マレーシアでは菓子の定番カラーです。
マラッカ発祥の菓子で、できるだけ小さく、外側は薄く、黒蜜たっぷりに作るのが、上質なオンデオンデだそう。
ちなみにペナンでは、オンデオンデを「ブア・ムラカ Buah Melaka」(マラッカの実)と呼ぶ人もいます。
ミニエッセイ「オレオレ」
オンデオンデで思い出すのは、オレオレ詐欺ならぬオレオレ聞き違い事件。今でこそマレーシア料理に詳しくなったが、どの料理にも、初めた食べた日がある。ある暑い日の午後、会社の近所のおやつ屋台で、同僚が「これおいしいよ」と選んでくれたのが、この緑の団子だった。名前を尋ねると「オレオレ」と。「オレオレ?」「イエース、オレオレ」。すっかりオレオレで認識してしまった私は、かなり長い間、記事にオレオレと書き、屋台では「オレオレひとつ下さい」と注文し続けていた。オレオレでも意外にちゃんと通じるのよ、これが。
Memo
・オリジナルはニョニャ菓子で、マラッカのニョニャ(プラナカン民族の女性のこと)が作るオンデオンデがいちばんおいしいと言われている。黒蜜は、マラッカ産のやし砂糖を使うのが定番。オンデオンデの形は、マラッカツリーになるグースベリーの実を模しているそう。
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