マレーシア料理図鑑87/パンもの/上級★★★★★★★★/地域限定食、ハレの日の料理/
薄い皮のなかにお肉がぎゅっ。カレー味が食欲をそそり、小腹が空いたときの軽食にぴったり。写真はクアラルンプールの店で
ムルタバを解説
カレー味のミンチ肉をパイのような皮で包んだ軽食です。カレーソースをつけて食べます。
肉の種類(鶏肉、牛肉、羊肉)でバリエーションがあり、人気は羊肉。玉ねぎがたっぷり入っていて甘みがあり、スパイスの香りが食欲をそそる万人に好まれる味です。
パイのような皮はロティチャナイと同じ生地で、たいてい同じ店で提供されています。
ちなみに、ロティチャナイやムルタバを提供する店をMamak=ママッとよびます。ママッとはインド系ムスリムのことで、この店を経営をしているのはママッだったのが名前の由来。今では、ママッは民族を問わずマレーシア人の日常のオアシスです。
ムルタバはどうやって食べる?
カレーソースをかけて食べます。ペナンでは、赤玉ねぎの酢漬けが添えられていて、さっぱりした酸味が好相性です。
ムルタバを初めて食べる人へ
マレーシア全土でポピュラーな料理です。ただ、店や地域で微妙に違いがあります。
今まで、こんなムルタバを食べたことがあります。
・クランタン州で、カレーのかわりにチリソースが添えられたムルタバ
・ジョホール州で、チーズと練乳をたっぷりかけた濃厚で甘いムルタバ
・サバ州で、肉を包んだあと、高温の油で揚げたフライド・ムルタバ
ムルタバってアレンジ率高し!
比較的大きく、みんなでつまめるからか、夜食の人気メニューでもあります。
ミニエッセイ「断食月に売上アップ」
ペナンの人気店「Hameediyah」のムルタバは絶品だ。卵入りの具でまろやかな味。外の皮が中にも1枚入っていてもっちり感UP、ボリュームも満点だった。また、店の入口に設置された鉄板で焼いていて、お客さんは調理の様子を見ることができる。これが食欲をそそるのだ。そしてこのムルタバ、お店の人によると、1日に約400個も売れているという。さらにイスラム教徒の断食月になると、1日に約700個の販売数にアップするそうだ。家へ持ち帰り、またモスクでの無料の食糧配布のひとつとして利用されている、とのこと。いやー700個ってすごい!
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