おやつ

タパイ

Tapai Pulut

真っ白でジューシー。自然発酵に委ねる特別な日の味。

もち米と麹で作る発酵系おやつ。ひと口サイズで、とても甘い。

 葉っぱを開くと、小さなご飯の塊。芳醇な香り、ふくよかな甘み、汁気のあるジューシーな食感が特徴で、ラギとよばれる麹でもち米を発酵させたおやつです。甘酒のような、たくさん食べるとふわっと心地よく酔いそうな味。断食明けの祭りなど特別な日に用意されることが多く、村のタパイ名人が市場で販売していることもあります。

 初めて食べたのは小さな町のバスターミナルで。露店で販売されていたタパイを友人にすすめられて食べてみると、わー、おいしい! とても甘くて、水分たっぷりで、米はやわらか。ところが、2回めに食べたときは、飛行機で持ち運んだせいか、米粒は固いままで、甘みも無く、別もの。自然発酵で作るタパイは、気温や湿度の影響が大きいのだなぁとしみじみ。あるマレーシア人によると、特別な手をもった人しか、タパイはおいしく作れないのだそう。

 ちなみに、ボルネオ島サバ州にもタパイがあり、こちらは、米を長期発酵させた液体のお酒。祝いの日はタパイを朝まで飲むそうです。

Memo
タパイは、ゴムの葉やバナナの葉に包んで発酵させる。3~5日で発酵し、食べごろは1日程度。そのため、おいしいタパイに出会うには運も必要。また、米ではなく、キャッサバを発酵させた「タパイ・ウビ」も人気。

Photo
クアラルンプール郊外、スバンの市場「パサール・タニ」にて、2012年

関連記事

  1. レポート。屋台祭り(終了)6月16日(日)12:00「ハリラヤス…
  2. クエスリムカ
  3. バビロティ
  4. 東京・下北沢「圧延・ジャパンミー」 自家製麺のドライ・チリパンミ…
  5. ミールブス
  6. ボルネオ島の美食の町、クチンごはんツアー開催レポートFood t…
  7. レポート(終了)10月16日(水)13時『マレーシア 地元で愛さ…
  8. ロントン

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめ記事

  1. Instagramにて情報発信しています。
  2. 調味料からマレーシア料理全体の味の傾向を探る
  3. マレーシア料理の地域性について考察
  4. アッサム・プダス
  5. マレーシア人の民族性と食文化
  6. ちまき
  7. マレーシアごはんの歴史、変遷
  8. イカン・バカール
  9. ウツボカズラご飯
  10. サンバル
PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。