
Tapai Pulut
真っ白でジューシー。自然発酵に委ねる特別な日の味。
もち米と麹で作る発酵系おやつ。ひと口サイズで、とても甘い。
葉っぱを開くと、小さなご飯の塊。芳醇な香り、ふくよかな甘み、汁気のあるジューシーな食感が特徴で、ラギとよばれる麹でもち米を発酵させたおやつです。甘酒のような、たくさん食べるとふわっと心地よく酔いそうな味。断食明けの祭りなど特別な日に用意されることが多く、村のタパイ名人が市場で販売していることもあります。
初めて食べたのは小さな町のバスターミナルで。露店で販売されていたタパイを友人にすすめられて食べてみると、わー、おいしい! とても甘くて、水分たっぷりで、米はやわらか。ところが、2回めに食べたときは、飛行機で持ち運んだせいか、米粒は固いままで、甘みも無く、別もの。自然発酵で作るタパイは、気温や湿度の影響が大きいのだなぁとしみじみ。あるマレーシア人によると、特別な手をもった人しか、タパイはおいしく作れないのだそう。
ちなみに、ボルネオ島サバ州にもタパイがあり、こちらは、米を長期発酵させた液体のお酒。祝いの日はタパイを朝まで飲むそうです。
Memo
タパイは、ゴムの葉やバナナの葉に包んで発酵させる。3~5日で発酵し、食べごろは1日程度。そのため、おいしいタパイに出会うには運も必要。また、米ではなく、キャッサバを発酵させた「タパイ・ウビ」も人気。

Photo
クアラルンプール郊外、スバンの市場「パサール・タニ」にて、2012年
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