Report :YCC Temporary JUN KITAZAWA “NEIGHBOR’S LAND”
入ってすぐ、マレーシアのママッが再現してあり、テンションが上がる。
マレーシアからの参加者が再現したMAMAK(ママッ)。奥のカップ麺に、上に配された看板がかなりリアル! たしかに黄色と濃い青の配色、町に多い気がする。ちなみにこの場所は、全体の料理教室にも使われているそうで、下のチラシは別の国の料理。このごった煮の感じもママッぽい
多民族国家のマレーシアで、民族関係なく誰もが好きで、そして町のいたるところにある食堂ママッ。軽食からドリンクまでなんでもそろい、24時間営業のことも多いので、マレーシアのファミレスのような存在。作者のトンさんとヘレンさんは「とくにサッカーがテレビで放映される日は、プロジェクターで投影された中継を見ながら大勢の人であふれかえる」とおっしゃっていた、とのこと。
ママッのとなりには、インドネシアのワルン。
この展示では、各国の参加者(北澤潤氏のプロジェクトに参加した有志のメンバー)の心に深く刻まれている景色が再現されている。それはときに食堂であったり、父親の趣味部屋だったり、町のキオスクだったりする。そのどれもが個人的な記憶で、再現されている景色はここから何千キロも何万キロも離れているのに、展示を見ていると、私の記憶にも重なる部分がぽこぽと現れる。学生のころ、学校帰りに毎日寄ったおかしやさん。通勤途中、いつもぷらっと見ていた駅の本屋さん。私にもたしかにある。
インドからの参加者は、現地で人気のファミレスを再現。きっとママッみたいな場所かな。
アメリカからの参加者は家の地下にあるお父さんのパーティ部屋。実際の部屋の写真が飾られていて、おぉ、そっくり! お酒を飲んだり、ギターを弾いて楽しむ部屋だそうだ。
赤い切り絵で飾られた展示物は、中国からの参加者の作品。むかしは、家の窓の装飾として切り絵が重宝されていたそうで、この切り絵のことを「窓花」というらしい。ここでは、窓花を作る体験もできるそうだ。
見学をおえて町に出たら、田舎に帰ったときのような気分になっていた。世界の展示なのに、ふしぎにノスタルジックをかきたてる空間だった。そして、アメリカや中国という国が、テレビのニュースで見ているよりも、よりリアルに感じられ、そしてずっと近くなった気がした。
情報を紹介するのが遅くなってしまいギリギリで恐縮なのですが、会期は6月10日まで。9日は「マレーシアDAY!」で、マレーシア人の方によるイベントが検討されている、とのこと。ご興味のある方は、こちらのFacebookページをご確認ください。
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