鎌倉駅西口から御成通りへ。洋菓子「小川軒」、しらす問屋「山助」など名店を眺めて歩き、十字路を右に曲がると、かわいらしい手描きのイラストで飾られた黒板が目にとまります。そして、漂ってきたのは……おぉ!これこれ、あの香り!
「塩バターパン」「食べるカフェオレ」など、文字を読むだけでもおいしそう!
店名、そして商品名は「ロティガール」。マレーシアで人気の菓子パン、ロティボーイを日本流に再現したもので、おいしさはそのまま、いえ、それ以上! さらにアレンジもきいています。
「ロティガール」のスタッフ3人。「店名がガールなので女性が販売していると思われがちですが、すみません、販売担当はオヤジです!」と店主の大塚さん(右)
「ロティガール」の特徴は、外側はクッキーのようにサクッ、中側は食パンの白い部分のようにフワフワのWの食感。こんがりと焼かれた茶色い生地は珈琲味で、道にふわ~っと漂っていたのは、甘いミルク珈琲のような香りです。
外と中の2種の生地を作り、店内で焼き上げる。日本産の小麦粉を使っているため、本場よりもしっとりしていて高級感がある
ちょうど焼き上がるタイミングで店を訪れることができたら、この幸せな香りが体験できる
さらに「ロティガール」には必殺の仕掛けがあり、パンのまんなかに塩バター。もぐっとほおばれば、甘い珈琲の香りにバターの絶妙な塩気。これが魅惑のハーモニー!
熱々の焼きたてをほおばれば、溶けたバターの香りが豊か。持ち帰って食べれば、バターの塩気がパンにしみていて甘さとしょっぱさの絶妙のコラボ。どちらもおいしい。プレーン250円。日持ちは2~3日程度。
そして、本場ロティボーイにはない「ロティガール」ならではの商品が、トッピングのアレンジ。
バニラ270円、アーモンド270円、ココナッツ270円、チョコクリスピー270円、パイナップル300円、クランベリー300円の6種が並ぶ。とくにおすすめは、葉山のプリンの有名店のバニラシュガーを使ったバニラ、香ばしいアーモンド、そして甘酸っぱいクランベリー
クランベリーの甘酸っぱさが、こんなに珈琲とバターに合うなんて! これは驚き!
取材に同行してくれた「アジアごはんズ」の下関さんと伊能さんも大満足
ふたりに感想を聞いてみると、「そうそう、この味。なつかしい。タイにロティボーイが進出したときは大人気で長蛇の列でした。ちなみに、わが家では手作りもしていて、『バンコク思い出ごはん』のレシピ本にも載せています」と下関さん(タイカルチャー料理家)。
「シンガポールでもロティボーイは大人気でした。日本でこの味が食べられるなんて、うれしいです。塩バターがじゅわっと口中に広がるところがたまりません~」と伊能さん(アジアンフードディレクター)。
ちなみに、佐々木さん(前出の写真、左)によると「食べるときは、電子レンジ600wで20秒、その後オーブントースターで2分焼けば、焼きたてが再現できます」とのこと。ぜひ試しを。
そのほかお店では、ミルクティー(テタレ)や珈琲にもこだわりがあり、紅茶は「ブンブン紅茶店」、珈琲は「タネ・ロースタリー・コーヒー」といった鎌倉の名店とコラボ。また「スパイスハウス・ペペ」で販売している絶品「ペペマサラ」をふりかけた、しらすパンもおすすめ。
2019年にオープンの小さなお店。スペースは小さいけれど、ここから約5000キロ離れたマレーシアの味が、現地の味を守りつつ、独自のアイデアを加えて発展しているなんて、すごいこと。鎌倉に遊びに行ったときはみなさま、ロティガールをぜひ!
ロティガール / Rotigirl
住所:神奈川県鎌倉市御成町6-4
電話:0467-37-8994
営業時間:10:00~17:00
定休日:無休(ただしイベント出店の場合は休みになるので、Facebookで確認を)
席数:なし
アクセス:鎌倉駅西口から徒歩7分