現地取材

チキンライスに必須!シャキシャキ“もやし”に迫る!

イポーのもやしは、日本でよく見かけるもやしより太く短い

【All About Web】 マレーシア 2015年6月9日配信

マレーシアの名物グルメ「チキンライス」。ジューシーなゆで鶏とうま味たっぷりのご飯が特徴。さらに多民族国家マレーシアのチキンライスは、民族ごと、地方ごとに色んな特徴があり、なかでもファンの多いのがイポー地方のチキン! ゆで鶏と一緒に食べる“もやし”が特徴。このもやし、日本で食べるもやしとは全く異なる、超美味! この味を作りだしているのは天然の山の水にありました。

 

イポーチキン。さっぱり醤油系のタレで食べる

マレーシアは、知る人ぞ知るチキンライス天国。味のおいしさはもちろんのこと、民族別、地方別に様々な特徴があり、毎日食べても飽きません。なかでも人気なのが、クアラルンプールから車で2時間ほど北上した町、イポーのチキン。週末ともなると、クアラルンプールの食通たちが車をとばして訪れるほどです。

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イポーのチキンは、醤油ベースのタレをかけたゆで鶏

チキンといえばライスが定番ですが、イポーでは、つるんと滑らかなの米麺を合わせることも多いです。そこに、サッとお湯をくぐらせて鶏と同じタレをかけたもやしを添えます。このもやしがポイントです。たかがもやしと侮るなかれ。しゃきしゃきと弾けるような食感、かむごとに口中に広がる甘露水。形状は短くて、ふっくら太め。色白で艶々とした輝きもあります。もうとにかく、とんでもなくおいしいんです!

このもやしこそが、イポーチキンの立役者で、TV番組『世界ふしぎ発見』で、イポーのもやしが特集されたほど、メディアも注目しています。

ではなぜ、こんなにイポーのもやしがおいしいのか。その理由を探るべく、イポーのもやし工場を見学してきました!

もやしづくりの産地、イポーのブントン

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もやし栽培所。木の生い茂る田舎町にあり、広さは50~100坪ぐらい。全体が見渡せるぐらいの大きさ

イポーの中心地から車で約15分。ブントンという町に、もやしの製造工場は集中しています。規模の大小はありますが、ほとんどが家族経営。大規模な機械化は行われず、ほぼ手作業で作られています。

もやしづくり40年。香港にも空輸

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父から譲り受けたもやし工場を経営するチョンさん。幼い頃からもやし作りを手伝い、お正月も休日もなく働いてきた。「こんなに大変な作業なので、子どもは継いでくれないだろう」とチョンさん

今回取材したのは、Tuen Foo Cheongさん(段富昌さん、通称チョンさん)の工場。もやしを作り続けて40年の大ベテラン。

青いバケツ1杯に約90キロのもやしを栽培します。それを毎朝9時に、バケツ10個(900キロ!)出荷。この場所に、イポー市内のお店やクアラルンプールのお店の人が毎朝仕入れにくるそうです。さらになんと、香港にも、1週間に1回、30キロ空輸しているとのこと。

味の決め手は山の天然水

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青いバケツのなかで、もやしがすくすく育っている

もやしは1日5回の水やりが必須。チョンさんの工場では、朝2時、6時、12時、昼4時、夕方8時。たった1度でも忘れてしまうと、もやしは全滅。チョンさんにはお正月もクリスマスもないのです。取材に伺った日も、朝2時に起きたと話してくれました。

イポーのもやしがこんなにおいしいのは、この水の味にあります。使っているのは地下水。イポーは山々に囲まれた地形で、石灰やミネラルを多く含む地下水が流れています。この水、人がそのまま飲み続けると体に「石」ができるぐらいの成分を含んでいるそう。この地下水を丁寧に濾過をして不純物を取り除き、もやしに与えているのです。

種をまいて、5日目で出荷する

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もやしの種はミャンマーから輸入している

ミャンマーから仕入れたるのは、25キロの豆袋1000個。それを5~6週間で使い切っているそうです。

まずはじめに、皮が割れていたり、小さすぎる豆を仕分けし、上質な豆だけを取りだします。次に青いバケツの底から1/8ぐらいまで種を入れて、水やり。バケツの底は穴が開いていて、余分な水は下に流れていく仕組みです。

2日目に発芽。日に5回、たっぷり水をあげると、ぐんぐん大きくなり、5日目にバケツいっぱいの量に育ちます。1番上の部分は火にあたっているので薄い緑色。ここを取り去ると、短くて太い、真っ白で艶々のもやしが現れます。

出荷するときは、丁寧に洗って黒い豆をとりのぞいて袋詰め。保存できる期間はたったの2日間。そのため、業者は毎朝仕入れが必要。ぷりっぷりのもやしがイポーで食べられるのは、この新鮮さにもあるのです。

もやしはイポーの食事には欠かせない

7もやしは綺麗に水で洗って出荷

もやしはイポー人には欠かせない食です。名物のチキンだけでなく、スープ麺にも惣菜店のおかずにも、ビーフン炒めにも、もやしがかならず入っています。シャキシャキでみずみずしい食感は、日本のそれとはまるで違う歯ごたえで、イポー料理を引き立ています。

工場見学をして、もやし作りがこんなに手間がかかっていることに正直驚き!それなのにこの値段。もやしちゃん、安すぎるねぇ…。

イポーのもやしは天然の環境によってつくられた自然の恵み。ほかの土地で作ることはできません。自然のありがさを心に感じながら、しみじみとイポーのもやしをいただきたいものす。

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