マレーシア料理図鑑78/おかず/上級★★★★★★★/専門店提供、めずらしい料理/
ニョニャ料理の人気の味。甘酸っぱいパイナップルをおかずに使った技あり、の料理。写真はマラッカで食べたもの
ウダンナナスを解説
パイナップル(ナナス)と海老(ウダン)のココナッツミルク煮込みです。ご飯と一緒に食べます。
パッと見、黄色いカレーのようですが、いわゆるカレーっぽい香りはひかえめ。口のなかで広がるのは海老のふくよかなうま味、ココナッツミルクのクリーミーさ、パイナップルのフルーティな酸味。さらに、トウガラシの辛味がガツンと効いている店も多いです。
つまり、甘酸っぱく、辛くて、濃厚という魅惑の味です。
ウダンナナスはどうやって食べる?
カレーのように、ご飯に汁ごとかけてどうぞ。クリーミーで、トウガラシの辛さが効いた汁、ご飯によく合いますよ。
ウダンナナスを初めて食べる人へ
相対する味覚を合わせるのが好きな人におすすめです(たとえばチーズにハチミツなど)。パイナップルの甘酸っぱさ、トウガラシの辛さ。色んな味が混じり合い、そして主張しています。
また、パイナップルの使い方が見事。つぶしながら煮込むことで具であり調味料でもある(酸味と甘みを加える)のです。
15世紀ごろ、中国からマレー半島に移住してきた中国人が、地元の人との婚姻によってうまれたプラナカン。彼らが作る奥深い味の代表格が、ウダンナナスです。
ミニエッセイ「見ためで判断は禁物」
以前、日本で行っていた料理教室で、ウダンナナスを作ったことがある。先生がマレーシア人のシェフで「パイナップルを丸ごと使いましょう。身をくり抜いて具にし、皮を皿にして、盛り付けたら、かわいいですよ」と提案してくれた。やってみたらとても素敵な仕上がりに。ところがこのウダンナナス、トウガラシがガッツリ効いていて激辛! かわいい見ためで激辛って、ギャップがあり過ぎて、食べながらみんなで大笑い(辛いので、泣き笑い)。何事も見ためで判断は禁物だ。
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