マレーシア料理図鑑06/ご飯もの/基本★/初マレーシアでおさえて欲しい料理/
香りを食べるってこういうことなのね、と発見できる料理。好きなおかずを合わせて、香りもおいしさも重ねていくのがマレーシア流。写真はマラッカの結婚式で食べたもの
ナシ・ビリヤニを解説
ナシ・ビリヤニとはインド由来のビリヤニのこと。細長いインド米を使った香り豊かな炊き込みご飯です。
もともとビリヤニは、イスラム教徒にとって大事な味で、その流れからなのか、イスラム教徒の多い
マレーシアでも非常にポピュラー。とくに祝いの料理として、結婚式では欠かせない味。
単体で食べることもありますが、好きなカレーや惣菜を組み合わせて混ぜて食べるのが基本。具無しのナシ・ビリヤニ・コソン(コソンとはゼロのこと)は、香りはリッチながらも、味つけはあっさり。これにおかずを合わせれば、アロマとフレイバーに満ちた贅沢なワンプレートが楽しめます。
ナシ・ビリヤニはどうやって食べる?
カレー、タンドリー、野菜炒めなど、いろんなおかずを合わせて、香りも味も増し増しでどうぞ。一方、ビリヤニ専門店では、ビリヤニ集中で。本国インド同様、チキン・ビリヤニ、マトン・ビリヤニ、魚入り、海老入りなど具が選べます。
ナシ・ビリヤニを初めて食べる人へ
スパイスの香り、食欲をそそるほのかな辛み、そこに長粒米のパラッとした食感が重なり、常夏マレーシアにぴったりの味です。ご存じの方も多いと思いますが、香り付けの固形のスパイスがそのままゴロゴロ入っているので、噛まないように注意しましょう。
朝食ビュッフェ、フードコート、また「ナシカンダー Nasi Kandar」とよぶ町のカレー食堂で気軽に味わえます。見つけたら試して欲しいのが、土鍋で炊いたクレイポット・ビリヤニ。炊き立てほくほくのご飯が絶品です。
ミニエッセイ「広がるビリヤニの世界」
ナシ・ビリヤニのナシとは、マレー語で米のこと。米料理のビリヤニに、さらに米という名称付きで、いってみれば“米の炒飯”みたいな不思議な名前だ。不思議つながりで注目したい料理が、ジョホール州の「ナシ・ブリヤニ・ガム」とケダ州アロースターの「ナシレマッ・ロイヤル」。「ナシ・ビリヤニ・ガム」はスパイスのみで炊いたあっさりタイプ(肉や野菜は無し)。ガムとは本場インドの重ね蒸し炊きスタイル「ダム」をもじっている?と勝手に想像。「ナシレマッ・ロイヤル」はココナッツミルクを加えたもので「ナシレマッ」と「ビリヤニ」のいいとこどりのような味。マレーシアのビリヤニの世界は広い。
Memo
ナシ・ビリヤニで使うスパイスは、カルダモン、クローブ、八角、シナモン、そして、東南アジア料理を代表するハーブ、パンダンリーフ(ホクホクの炊き立てご飯のような香り)。米は、長細いインド米を使い、揚げ玉ねぎで甘みと香ばしさをアップさせる。
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