マレーシア料理図鑑71/おかず/上級★★★★★★★/専門店提供、めずらしい料理/
串刺しの具をその場でゆで、特製ソースで食べる。南国マレーシアの人気の鍋料理ともいわれる。写真は、クアラルンプールのチャイナタウンの出店の様子
ロロッを解説
人気の鍋料理ロロッ。鍋といっても、移動式屋台の料理で好きな具をサッと食べるスタイル。
調理前の海鮮、肉、野菜が、それぞれ串刺しで並んでいるので、好きな具を選び、沸騰した湯でゆで、チリソース、黒醤油ソース、甘辛のピーナッツソースなどをつけて食べます。
一説によると、1800年代ごろに始まった歴史ある屋台料理だとか。現在ではマレーシアのあちこちで見かけ、クアラルンプールでは人気の屋台街アロー通りやチャイナタウンにあります。
ロロッはどうやって食べる?
席がある場合は、好きな具を選んで店主に渡し、席で待っていると、ゆでてくれたものが運ばれてきます。席なし(立ち食い)の場合は、自分で茹でて食べます。串の色で値段がわかる仕組みです。
ロロッを初めて食べる人へ
串刺しの具は圧巻の種類です! 鶏、イカ、えび、フィッシュボール、魚肉ソーセージ、貝、ホタテ、豆腐、肉団子、うずら、餃子、カニカマ、厚揚げ、オクラ、ブロッコリー、空心菜など、何でもあり。濃厚な味のソースをつけるので、冷たいビールにも合いますよ。
また、火を使う熱い料理なので、気温が涼しくなる夕方から屋台が現れるのが定番。ちなみにロロッとは、Dip Dipという意味だそう。
ミニエッセイ「マラッカ名物」
ロロッの親戚のような料理がある。マラッカの名物鍋、サテチュルップだ。サテチュルップは、専門店で食べる。店の壁一面が冷蔵庫になっていて、ここから好きな具を取って、席に着く。卓上に備え付けの鍋があり、このなかで特製スープがグツグツ沸騰している。具をゆで、このスープとともに食べる。このスープこそ、サテチュルップの特徴。鍋に入れた具がまったく見えない茶色の濃厚なピーナッツソースなのだ。店秘伝のレシピで、継ぎ足しで使っているため、具のうま味がしみ出た深い味。つまり、スープとタレの一体型鍋である。
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