マレーシア料理図鑑74/おかず/上級★★★★★★★/専門店提供、めずらしい料理/
コシのない麺で、とんでもなくおいしい。美食の町イポーの名物。写真はイポーの料理教室に参加したときに作ったもの
イポーヌードルを解説
麺はコシが命、と思っている人の常識を根こそぎ覆す麺料理。使っている透明感のある米麺はすべらかで、やわらかい。コシって何だっけ?と思うおいしさです。
料理名にあるイポーとはマレーシアの町の名前です。水がきれいな町として知られ、その水の影響で料理がおいしいそう。ちなみに、イポーヌードルに必須の具、もやしもイポー名物。
あっさりした鶏スープが麺そのものの味を引き立てています。
イポーヌードルはどうやって食べる?
イポーヌードルは、鶏のスープ麺が基本ですが、スープ無しでタレをあえたドライも人気。イポー名物の蒸しチキンと合わせる場合は、ご飯変わりで提供されるので、具が無いシンプルな直球の麺料理です。
イポーヌードルを初めて食べる人へ
クアラルンプールから、鉄道で約2時間半の町イポーの名物麺です。華人が多い町なので、麺料理が多数あり、なかでも、イポー人が愛してやまないのが、イポーヌードル。とくに朝食でよく食べます。
なお、最近は、鶏だしのスープに、海老の殻を炒めた海老オイルを加えてコクと香りを出すのがトレンド。
イポーヌードルは中国語で怡保河粉と書きます。怡保はイポー、河粉は米麺のこと。中国系の料理なので中国語表記の店で探してみましょう。
ミニエッセイ「ここにしかない味」
具無しの麺がこんなにおいしいなんて。イポーのチキンライス店で、ものは試しに、ライスのかわりに麺を注文してみた。運ばれてきたのは、具の無い、薬味の葱だけがのった米麺。黒いタレがかかっていて、それはオイスターソース、胡麻油、黒醤油を合わせたものだという。で、それだけ。それだけなのにめちゃめちゃおいしい。食感、味、旨み、すべて最高だった。この世界、どんなに技術や流通が進んでも現地に行かなければ出会えない味がある。そんなあたり前のことを教えてくれた。
Memo
クアラルンプールから車で3時間、そこで出会ったたった30円の究極グルメ。「これを食べるためにイポーに来てよかった!」と友人がえらく感動していた。
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