マレーシア料理図鑑54/おかず/中級★★★★★/アジア料理に詳しいならここも/
海老や野菜を小麦粉で溶いて揚げたおやつ。ボリュームも抜群。写真はクアラルンプールの出店で販売されていたもの
チュチュウダンを解説
海老のかき揚げです。小麦粉、水、海老を合わせて揚げたもので、玉ねぎ、モヤシなど野菜入り。日本のかき揚げとそっくり。
違いといえば、水分をできるだけとばして、カリカリの食感にしていること。また、ターメリックを生地に加えて、いい香りとおいしそうなオレンジ色が特徴です。
この料理は、ストール Stallとよばれる路上の小さな店の定番メニュー。大ぶりのチュチュウダンの場合は、ひと口サイズにカットして渡してくれます。
チュチュウダンはどうやって食べる?
1個単位で購入でき、チリソースにつけて食べます。
そうそう、ペナンの名物料理「パッセンブー」の具のひとつにチュチュウダンがあり、この場合は甘辛いソースで食べます。
チュチュウダンを初めて食べる人へ
食べやすさ満点。ホテルに持ち帰ってビールのおつまみにするのもマル。
ウダン Udang はマレー語で海老、チュチュ Cucur は揚げもの。チュチュの元々の意味は“流れる”で、熱した油に生地を入れる様がチュチュ(流れる)という説があります。
ちなみに、屋台に並ぶマレーシア料理は、揚げもの率が高いです。これには理由があり、揚げものは
気温30℃以上の日中でも常温での保存が可能だから。その代表格が、このチュチュウダンです。
ミニエッセイ「ありがとう、をまわしていく」
マレーシアの食文化を20年近く研究している。こんなに長く続けられているのは、いつも快く協力してくれるマレーシア人のおかげだ。こんな言葉をもらったことがある。「故郷マレーシアに興味を持ってくれて本当にうれしいです」「マレーシアのことが好きと言ってくれるのがうれしくて。その分、私もマレーシア人として頑張らないと、と思います」。いや、わが身を振り返って思う。私は、日本が好きでいてくれる外国人にこんなふうに接したことがあるだろうか。受け取ったありがたさを、あなたに送ろう。この恩を世に循環させていこう。
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