マレーシア料理図鑑10/おかず/基本★/初マレーシアでおさえて欲しい料理/
中国系マレーシア人の週末の朝活は、家族でバクテーの大鍋を囲むこと。またマレーシアで暮らす日本人の間で人気No.1のローカル料理は、このバクテー。写真のバクテーはクアラルンプールの専門店で食べたもの
バクテーを解説
豚肉の漢方スープです。ふくよかな香りのスープに、三枚肉、肩ロース、スペアリブ、モツなど様々な部位の豚肉が入っています(選べる店は、ミックスを選択してね)。
この料理の主役は、ずばりスープ。豚肉のだし味の深さ、豊かな漢方の香り。それはまさに名前にある“茶”ごとくゴクゴク飲みたくなる美味。
さらに、漢方の効果で血液サラサラの効能も期待できる、というから最高。
ちなみに、お隣りの国シンガポールでもバクテーは人気。ただ、マレーシアのバクテーとは、味も香りも別モノなのが興味深いところ。
バクテーは何を合わせる?
バクテーには、ご飯、中国茶、トウガラシ入りの醤油タレを合わせましょう。ご飯にスープをかけて茶漬け風にしたり、醤油タレを肉につけて味変したりと。楽しみはエンドレス。
バクテーを初めて食べる人へ
肉骨茶という字面は強めですし、漢方と聞くとクセが強そうですが、子どもでも好きな子がいるほど
食べやすいので安心を。
スープが黒い見た目なのは、黒醤油と黒い漢方(熟地黄)によるもので、しょっぱさとも無縁。
スープを味わうのが醍醐味の料理で、揚げパン(別注文)をスープに浸して“しみしみ”にして食べるのもおすすめ。専門店はスープのおかわり可が多いので、スープが無くなったら、鍋を指さして「スープ、プリーズ!」とぜひ。
ミニエッセイ「にぎやかな朝」
バクテーは、歴史的に労働の前の朝ごはんとして食べられていた食習慣があり、現在も、早朝5時にオープン、昼2時ごろには売り切って店じまいというバクテー専門店が町のいたるところにあるとくにマレー半島)。そんな店の週末の朝は、にぎやかだ。家族連れや友人同士で丸テーブルを囲む。中央にはバクテーの大鍋。みんなでスープをすすり、肉にかぶりつき、骨はテーブルの上、そしておしゃべり。その姿は、南国の太陽のようにパワフルでまぶしいほど明るかった。
Memo
漢方効果で驚くほどやわらかい豚肉。長時間煮込んだ熱々のスープは「当帰」「玉竹」など10種以上の漢方を使い、おいしいだけでなく夏バテ予防や疲労回復にも効果があるとか。スープを飲めば、異国らしい八角の香りが鼻をくすぐり、胃のあたりがふわっと温かくなる。
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