現在、こちらの店はCloseしています(2023年12月)。
【CREA WEB】 マレーシアごはん偏愛主義! より 2022年3月17日配信
東京にナシカンダー専門店がやってきた!
こんな日が来るなんて、感無量です。懐かしいスパイスの香りに、おなじみのカラフルなメラミン皿。その上には、チキンとイカのカレー、ごろごろ野菜のスパイス炒め、半熟卵などが、皿からあふれんばかりに盛られています。
もしや店の扉は「どこでもドア」だったのでは⁈ と思うほどマレーシア感満点のここは、東京・大手町、2月にオープンした「ゼロツーナシカンダールトーキョー」(以下ゼロツー)。日本初、マレーシアのナシカンダーを再現した店です。
ナシカンダーとは、マレーシアで発展したカレー食堂のこと。インドにルーツをもつ人々が、ご飯(ナシ)とおかずを天秤棒(カンダー)で売り歩いたのが始まりといわれ、現在はカレーを中心としたスパイス料理を提供する食堂に。
店頭に料理が並んでいて、そこから好みの味をチョイス。それらをワンプレートで楽しむのが、ナシカンダーのお決まりのスタイルです。
「ゼロツー」でも、ライス、メイン、副菜、カレーの4つのジャンルから好きな味を選んで、Myプレートを完成させることができます。
東南アジアとインドが融合したマレーシアカレー
もちろん仕組みだけではありません。味にもナシカンダーのエッセンスが効いています。
たとえば、マレーシア料理によく使われるパンダンやコブミカンのハーブ。カレーに入れると、スパイスの刺激はまろやかになり、香りにグッと深みが増幅。
また、隠し味にナンプラーを加えて、インドカレーとはまた違った食べやすいテイストに。
おすすめのトッピングはこちら
エッグ、フィッシュのほか、グリルチキン、ラム肉カトゥレットといったメインのおかずも、トッピングとして追加できるのでおすすめです。
ちなみに、どの料理も唐辛子の辛さは控えめ。辛くしたい人は、卓上にある自家製調味料チリパディ醤油(チリパディとは、マレー語で小さな唐辛子という意味)か、辛さ増しペースト(+100円)を加えましょう。自分好みの辛さで楽しむのもマレーシア流です。
ナシカンダーの歴史に人生を重ねるまるちゃん
さて、「ゼロツー」という店名から、カレー好きの方ならピンときた方も多いのでは。大阪の間借りカレー店からスタートし、現在は、東京・三田の人気店として知られる南インド料理店「ゼロワンカレーA.o.D」(以下ゼロワン)を。
ゼロワンオーナーの立田侑志さん(通称まるちゃん)がインドへの料理研究旅の途中で、偶然立ち寄ったマレーシアのカレー文化に魅了され、2店舗目として新たにオープンしたのが「ゼロツー」なのです。
「インドのカレーとナシカンダーのカレーには、別のおいしさがある。もしかしたらナシカンダーのほうが日本人は食べやすいかもしれません」とまるちゃん。
そして、「マレーシアに渡ってきたインド移民が、金もない、コネもない、店もないという状態から、料理の腕だけで勝負して作り上げたナシカンダー。この歴史にロマンを感じます」と。
もうひとつ「ゼロツー」でおすすめなのが持ち帰り。注文すると、料理がバナナの葉っぱに包まれて弁当箱にイン。
家に着くころには、ご飯とカレーが一体化して、さらにバナナのトロピカルな香りをまとい、おいしさがアップしているのです!
料理はすべてイスラム教徒の方も安心して食べられるハラル対応。ベジタリアン・ナシカンダーも用意されていて、誰もが楽しめる店です。マレーシアのカレー文化をぜひご体験あれ。
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