マレーシアのリアルな台所事情。華人系の嫁タンマリが、ごはん記録を通して、現地で暮らして感じたこと、自分のなかの変化、周りの人との関係などをつれづれに語ります。
この日のごはんは、蒸し魚の香味ソースがけ、ABCスープ、野菜炒め、蜜瓜西米露 Tanmari’s food diary in Johor, Malaysia
日本人タンマリ。ダーリンは華人系のマレーシア人。2018年の4月1日より、ダーリンの実家であるマレーシアのジョホールに子ども3人と移住。人生は直感! という大胆な性格で、しばしば周りの人を驚かせるが、本人はいたって明るく、その明るさで周りの人に愛されている。「英語も中国語もマレー語もほとんど話せませんが、マレーシア生活、なんとかなっています!」という、ある意味で奇跡の人。現在は、義父(タンpapa)、義母(タンmama)、義姉、長女8歳、次女5歳、坊3歳と計7人暮らし。ダーリンは日本で仕事。
この連載について / タンマリと家族のプロフィール
text and photo by Tanmari
2nd June. 2020
Dinner : ABCスープ、蒸し魚(多分、川の魚)の香味ソース添え、野菜炒め / Place : 家
タン家の食卓は2か所ある。いわゆる家のダイニングと庭。庭で食事だなんて、まるで英国ガーデンのアフタヌーンティーみたいな優雅なものを想像されるかもしれないが、断じてそんなものではない。日本でいえば縁側みたいなもので、玄関近くに数メートルほど屋根のある部分がある。ここに組み立て式の丸テーブルを置いて食事。ここなら、子どもたちが食べものを落としても掃除がラクチンだし、比較的涼しい朝や夕方は気持ちがよくて、家族みんな気に入っている。今夜も夕飯は庭。
ちなみに、掃除についてちょっと言いたい。マレーシア人は(とくに華人系かな?)、床がどれぐらいピカピカに磨かれているかで、嫁のでき具合を決める気がする。「あの奥さんの家の床はいつ行ってもピカピカに磨かれている」という話題が家族の間でよく交わされているし、親戚や近所の女性たちが「床を拭くとき、塩水にするとぴかぴかになるわよ」とか「お湯で拭くと綺麗になると聞いたわ」とか「最後に酢で拭きあげれば完璧よ」と話しているのをよく耳にするからだ。わが家の場合は、毎晩の掃き掃除とモップがけ(汚れがひどくなければ無し)は私が担当。台所、リビング、ダイニングを合わせて30~35畳ぐらいで、40分ほどかかる。ときどき義姉が手伝ってくれるけど、これは基本、嫁の仕事。もともと掃除が好きじゃないのでしんどいけど、なんとか頑張っている。
さて、ご飯の話しだ。この日は、朝5時に近所の華人系ファミリーがやっている食材店で魚を買った。売っていた魚は2種類で、種類は少ないが、鮮度はとびっきりいい。とても人気の店で、早朝に行かないとすぐに売り切れてしまう。この町の華人系の家のご飯は、この店の仕入れによるのでは?と思うぐらい影響力がすごい。
家族7人でわけられるサイズの魚2尾で13リンギット(約350円)。これは安いと思う。蒸し魚は、身にくさみがないもの、小骨が多くない魚が合う。マレーシアにきてたくさん魚を食べているけど、正直、名前は全く覚えていない。けれど魚の顔(!!)でこれは蒸し魚がいいかも、とわかってきた。これぞ主婦の勘だ!
蒸した魚に、醤油と生姜でつくった味が濃いめのソースをかけて、ご飯に合う味に。ソースは義姉が作ってくれた。蒸し魚に合う、と思った私の勘は大正解で、身がとってもやわらかく、子どもも喜んで食べた。
もうひとつ、ABCスープ(奥)も用意した。ABCスープとは、マレーシアで人気のスープで、豚のスペアリブを中心に、じゃがいも、にんじん、玉ねぎなどの野菜が入っている。味つけは塩のみ。これをじっくりことこと2~3時間、弱火で煮るだけ。これがすごくおいしくて、いつもABCスープは多めに作って、翌日の昼はカレーと決めている。なぜかってカレーと同じ具だからね! 今回も多めに作ったら、「真理子、すべての料理は翌日に持ちこさないように。少なめでいいから食べきれるだけの量を作るんだ!」とタンpapaから、これまでに100万回ぐらい聞いたいつものアドバイスをもらう。「は~い」と良い返事をするものの、毎回毎回イチから料理なんてできるかーーー!とこれまた100万回ぐらいくり返した反論を心の中でしつつ、ちゃっかりと残りの分を翌日の子供用のカレーにする。
ちなみに、炒めた野菜の名前はこれ(写真参照)。やわらかい食感で、スープにも入れる。また、わが家の近くにあるチェーン系のスーパーの魚売り場の写真が出てきたので、こちらも紹介。ここには30種ぐらいの魚介類が並んでいるよ。
Snack : 蜜瓜西米露 / Place : 家
夕飯後のデザートには、昼に作った「蜜瓜西米露」を食べた。最近、蜜瓜西米露作りにハマっている私。蜜瓜とは日本でいうメロンのこと。
もともとバトゥパハという町の飲茶店で出しているデザートで、子どもたちが大好きなので、家で作ってみたら、3回ぐらい失敗したけど、今回は成功!
作り方は、こんな感じ。
1.ココナッツミルクを絞る。
2.蜜瓜を半分ぐらいミキサーでジュースにする。
3.小さい粒のタピオカを茹でておく
4.全てを冷やして、最後一緒に混ぜ合わせる、トッピングに蜜瓜を少しのせて出来上がり!
蜜瓜の甘さで砂糖を加えるかを判断する。今回は砂糖なしでも十分美味しかった。この料理の大事なポイントは甘い蜜瓜を見つけることと、しぼりたてのココナッツミルクを使うこと。ココナッツミルクは、削られたココナッツ(写真左・注文するとおじさんがけずってくれる)の実を買ってきて、家で水に浸して、そしてしぼる(写真右)。このしぼるのは長女担当で、最近、彼女のココナッツしぼり技術がどんどん向上中! 私よりも回数をこなしているから、任せて安心。さすが、南国に生きる女子だなぁ~!
それにしても「西米露」とは何だろう? 私は西米露はこのデザートだと思っていたけど、ダーリンによると「汁系デザート全般だよ」とのこと。えっ、どこからどこまでが「西米露」なんだろうか。
今日はここまで。この連載はどんどん続きますので、みんなお楽しみに!
text and photo by Tanmari
※「西米」がサゴ(タピオカのようなもの)なので、きっとサゴ(サゴパール)入りの露(汁系のスイーツ)全体を「西米露」というのでは。先日紹介したボボチャチャもタピオカが入りなので、西米露のひとつ。(音談)
この記事へのコメントはありません。