ジャーナル

連載 「タンマリのマレーシア家族ごはん」について

 

illustration by Windz Tan

連載の登場人物プロフィール

◆著者 タンマリ tanmari 40代
日本語教師。岐阜県生まれ。
大学時代を京都で過ごし、卒業後、当時勉強していたDTP講座の先生としてダーリンが人生に現れる。知り合って3ヶ月で結婚を決意し、2007年に結婚。思い返せば、幼いころから海外志向で、「自分は外国人と結婚する」と考えていた節がある。そして、将来どんなことが起こっても、私と私の家族を全力で守ってくれる人と結婚したいと思っていた。

ダーリンは、いわゆるワイルド系ではないけど、生きる知恵があり、この世の中にどんな動乱が起こってもやっていける人だと思うので、私の理想そのもの。結婚前も結婚してからも、その印象は変わっていない。

結婚後、二女一男を授かり、そのまま京都で育児ライフを満喫。ところが2018年の正月、ダーリンの実家であるマレーシアのジョホール州に子供3人と移住する! と突然ひらめく。そして4ヵ月後の2018年4月、本当に移住。あと先考えない思いつきな行動、うっかりな性格で周囲に迷惑をかけたりするが、本人はいたって明るい。現在は、義父母、義姉、子ども3人の計7人で、周りに日本人のいないマレーシアの田舎町で暮らす日々。英語はおろか、中国語もマレー語もろくにしゃべれないのになんとかなっている奇跡の日本人嫁(と自分で思う)。好きな料理は「ナシレマッ Nasi Lemak」「クイテオ(kway teow)」「ドリアン」。

◆長女 8歳
マレーシア国立華人小学校の3年生(2020年8月時点)。中国語が話せないのに、華人小学校に一年生でいきなり放りこまれ、泣きながら中国語を覚えている苦労人。好きな料理は「ミーフン 米粉」。甘いものにも目がなく、汁系のスイーツ「サゴハニーデュー 西米露」「緑豆湯」、果物はメロン、ドリアンが好物。

◆次女 5歳
華人系幼稚園の年長(2020年8月時点)。来馬時に3歳だったため、すんなりと中国語やマレーシアの環境に慣れた模様。黙っていると愛らしいが、一度怒り出すと手がつけられない。食べものに対しては保守的で、気に入ったらそれしか食べない。好きな料理は、パン、ビスケットなど粉もの、「ミーフンクオ 面粉粿」、果物はスイカ。

◆坊(末っ子) 3歳
未就園児で、祖父母やタンマリと家で過ごす。相当なおばあちゃんっ子で、タンマリと寝ようとせず「アマア~(おばあちゃーん)(泣)」と言って毎晩泣くので、タンマリの立場なし……。好きな料理は「ミーフンクオ 面粉粿(mian fen guo)」「白粥」。大の「ドリアン」好きで、ドリアンが家にあるとモンスターのように食いまくるので、周りから止められている。

◆タンpapa 70代
タンマリの義父。中国・潮州生まれ。来馬は8歳のときで、家族5人、3ヶ月ぐらいかけて船で渡ってきたそうだ。持ちものは枕とおまるだけだったという。今でも潮州に親戚が多く住んでいて、よく交流している。マレーシアを代表する陶器会社「Claytan」に12歳から働き、勤続50年以上。先日、立派に勤めあげてリタイア。現在は太極拳の先生をしばしば。

タンpapaは外食が大好きで、料理の腕もプロなみ。得意料理は「チャークイティオ 炒粿条(Char kway teow)」「オーアーチェン 蚝煎(Hao Jia)」。故郷の潮州料理に特徴的なシンプルで塩気の濃い味を好む。また、肉も好き。タンマリにいろいろな料理を教えてくれるやさしきpapaであり、毎回お小言(アドバイス)をくれるキビシイ面もある。なお、1977年に仕事で初来日し、それ以来すっかり親日家。そのため、タンpapaから日本の話しを聞いて育った子供たち4人中3人(ダーリン、義姉、義弟)が日本で働いている。

◆タンmama 70代
タンマリの義母。マレーシア生まれ(福建系の両親)。マレーシアの民族衣装「バジュクロン」の仕立て店を47年間営む。人柄のよさと技術の確かさで、村いちばんの人気店。じつは数か月前、突然、心筋梗塞をわずらい緊急手術。現在は医師の指導のもと、外食をやめて油少なめ、野菜多めの食生活。好きな料理は、果物の「ロジャ Rojak」、小麦の「ミー Mee」。とても働きもので、朝から晩まで仕事をし、家族への配慮も欠かさない。タンマリのドジな失敗も優しくフォローしてくれる観音様のような人。

◆義姉 年齢不詳
米国製薬関連会社勤務のキャリアウーマン。普段は東京で働いているが、コロナ騒動でマレーシア一時帰国中。語学の天才で、日本語、英語、マレー語、北京話、広東語、潮州語を自在にあやつり、言語で混乱中のタンマリの強い味方。大の辛党で、食卓に辛味がないと満足できない。料理上手で、MCO中(コロナ下における活動制限令)は、潮州系の「クエ」(おやつ)を作ることにハマり、熟練の域に達しつつある。好きな料理は「ナシレマッ Nasi Lemak」「クイティオ kway teow」、果物の「ジャックフルーツ(Jack Fruit)」。

◆ダーリン 40代
タンマリの旦那さまで、タン家の長男。日本の某ウルトラテクノロジスト集団で勤務。1996年、留学生として来日し、かれこれ24年間ずっと日本暮らし。そのため彼の身体の半分は味噌汁でできているらしい。普段は東京で単身赴任をしているが、コロナ騒動で2020年3月~6月はマレーシア滞在。この期間は家族全員で暮らせて、とても幸せな日々だった。子煩悩で愛妻家。好きな食べ物は「サテー Satay」「ミーシアム Mee Siam」、果物は「ジャックフルーツ(Jack Fruit)」。


●なぜタンマリはマレーシアに母子移住したのか?

 シンプルにお伝えすると、教育移住です。長女の小学校入学のタイミングで、マレーシアに就学することに決めました。ただ、ここでいう教育とは、学校の教育のことではありません。マレーシアでマレーシア人の義父母や親戚に触れ合うことで、海外の文化、マレーシアの文化、華人の文化、英語、中国語など、日本では学べない、これからの彼らの人生にいかせるような、たくさんのことを自然に体験し、身に着けることができるのでは、と思ったからです。
 もうひとつ。ダーリンは毎日忙しい人だったので、日本で子供3人のワンオペとかマジ無理死ぬ!とずっと思っていたのも理由です。わたしは大家族で子育てがしたかったのですね。

 

text and photo by Tanmari

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