マレーシアのリアルな台所事情。華人系の嫁タンマリが、ごはん記録を通して、現地で暮らして感じたこと、自分のなかの変化、周りの人との関係などをつれづれ語ります。
この日のごはんは、バナナリーフカレー、モモチャチャ、ビーフヌードル Tan Mari’s food diary in Johor, Malaysia
日本人タンマリ。ダーリンは華人系のマレーシア人。2018年の4月1日より、ダーリンの実家であるマレーシアのジョホールに子ども3人と移住。人生は直感! という大胆な性格で、しばしば周りの人を驚かせるが、本人はいたって明るく、その明るさで周りの人に愛されている。「英語も中国語もマレー語もほとんど話せませんが、マレーシア生活、なんとかなっています!」という、ある意味で奇跡の人。現在は、義父(タンpapa)、義母(タンmama)、義姉、長女8歳、次女5歳、坊3歳と計7人暮らし。ダーリンは日本で仕事。
この連載について / タンマリと家族のプロフィール
text and photo by Tanmari
31th May. 2020
Lunch : バナナリーフカレー banana leaf curry/ Place : インド人街のカレー店
今日は日曜日なのでダーリンと長女、次女の4人で久しぶりのお出かけ。わが家から車で30分ほどの町、クランに来た。ちなみに今はMCO(新型コロナの影響下による行動制限令)中で、車の乗車可能な人数が4人なので、末っ子の坊は家でお留守番。
クランにはインド人街があり、私はここのバナナリーフカレーが大好きだ。いつも人気で席取り合戦だが、MCOのおかげで空いていて、他のお客さんとソーシャルデスタンスを取りながら食事。いや~久しぶりの外食!
私が手で食べていたら、長女に「えーー!ママ、手で食べるの? マレー人みたいじゃん」と引かれる。彼女が通う小学校は華人系で、20人クラスに5人ほどマレー系のマレーシア人の生徒がいるんだけど、まだ友達にはなっていない模様。どうも、グループ意識というか、華人系は華人系、マレー系はマレー系と思っているようで、学校の食堂でご飯を食べてるときも一緒に食べないらしい。
ただ、華人系でも手で食べる料理はある。たとえばスープに入っている鶏の足とか。日本人がはじめて鶏の足を見ると、ぎょっとするらしいが、彼女は最初からおもしろがっていた。「わー! 鶏さんの足だァ!」と言いながら、だれかに見せに行くホラー遊びをしていたよ、笑。たぶん最初から、これはおもしろいよ!おいしいよ!と大人が率先して見せていたから、怖いと思わなかったのかも。どうやって大人が接するかって、けっこう大事なのかもしれない。
だから「いや、君だって手で食べたくなるときが来るよきっと。たとえば将来、インド系の彼氏ができたときとか」と言おうと思ったけど、口には出さず。
ちなみに、長女も次女も、このカレーはほとんど食べられなかった。日本生まれ、華人の子供にはまだキツイ辛さらしい……。
食後、近くで鳩の群れを発見! 最近の次女の夢が「鳥に餌をあげる」ことだったので、めちゃくちゃ喜ぶ。近所の店で、人間用のレンズ豆を購入してあげてみた。鳩も喜んでいた。
Snack : モモチャチャ(小豆、ヤム芋、サツマイモ入り) / Place : 家
帰宅したら、おばのジシンZishing(義父のタンパパの弟の奥さん)から、おやつ「モモチャチャ」が届いていた。モモチャチャとは、小豆、ヤム芋、サツマイモをココナッツミルクで甘く煮たもの。フレッシュなココナッツミルクの、なんと香り高きことよ! 彼女はおやつ作りの名人で、とくに汁系のデザートは甘すぎず、とっても美味しい!
じつはわが家の子供たちは、マレーシアにきて一年ぐらい、この手の汁系のデザートになじめなかった。彼女たちの頭の中では、汁系のデザート=おぜんざいで、それ以外が許容できなかったみたい。ところが、ある日、たまたま店で注文した同じ汁系のデザート「紅豆湯(小豆を使ったもの)」がすごくおいしかったようで、それから「もしかしたら、これは美味しいのかも!」と思考が変化。それで実際に食べてみたら、好きなやつがいっぱいあった!って感じね。今日も、鍋がテーブルに置いてあるのを見ただけで、長女は好きなあれだ!と察知し、タンmamaに「食べてもいい~?」とねだってた。
ちなみに、次女食がめっちゃコンサバで、自分が知っているものしか信用していない。これは誰に似たのだろう……。
Dinner : ビーフヌードル 牛肉面 Beef Noodle / Place : 家 / 店からの持ち帰り
わが家の晩ごはんは、基本18:30~19:30。クランからの帰りに、タンpapa常連の店に立ち寄り、麺料理「牛肉面」(ビーフヌードル)を持ち帰り。ほら、音さんも連れていってもらった、あの店だよ! ダレのチリソースがあいかわらず絶妙でおいしい。八角のような、漢方っぽい、けっこう癖がある大人の味なんだけど、子どもたちも好んで食べる。もうすでに、彼らにはこの美味しさが分かるらしい。
このお店、麺の種類が選べる。タンpapa、タンmama、私、坊は、クイティアオ(kuai tiao / 米の麺)が好き。長女、次女は、イエローミー(yellow mee / 小麦の麺)が好き。普段、食生活をともにしていないダーリンの麺の好みは知らない……。
そういえば、はじめてマレーシアにきたとき、店でやたら麺の種類を聞かれて「なんて、めんどくさい! 麺は麺だろう!」と思っていたけど、私もいつの間にかすっかりそれに馴染み、麺の種類を聞かれないと、あとから文句を言うほどになった。成長したものだ。
ちなみにタンpapaはこの牛肉面、本場の発音とは別に、「ニュウニュウメン」とカタカナ発音をしてくれる。タンパパのユーモアと日本人嫁への気づかいに、いつもクスッと笑ってしまうのだ。
そうそう、わが家の日曜日の晩ごはんは、誰かが買ってきた料理がテーブルにおいてあるので、各自が好きな時間に、好きな量を盛り付けて、じぶんで温めて食べるスタイル。子どももちろん、自分でだすよ。だからこの日は、私と子どもは18時ごろ、ダーリンは19時、タンpapaたちは21:00以降に食べていた。子どもは縦横無人で、とくに坊は、食べている人がいたらまた食べる感じ。ちょこちょこと三回くらい分食してたんじゃないかな。
ひとつ余談で。マレーシア人は夜食をよく食べるというけど、わたしと子どもは平日は夜食は食べません。タンパパと義姉は、ビスケットやポテトチップス、フルーツ、西米露(汁系のデザート)をつまんでいるかな。MCOの前は、サテーやママッ(インド系食堂)に行ったりしていたけど、現在はもっぱら家にあるものを食べる感じ。先日、タンママが手術をしたのも関係があり、高カロリーなものや夜食はひかえているタン家なのです。わたしとしては、子どもの食生活改善と肥満対策ができてうれしいです。
今日はここまで。この連載はどんどん続きますので、みんなお楽しみに!
text and photo by Tanmari
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