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マレーシアのニョニャ料理、おすすめ18選。カラフルなプラナカン文化より

Part 2  おすすめのマレーシアのニョニャ料理、ニョニャクエ、18選!

※ ASEANヘリテージトレイル ウェビナーカラフルなプラナカン文化で講演した内容をまとめました。講演動画は下記YouTubeよりどうぞ(30分程度)。下記のテキストは、講演の内容を加筆してまとめたものです。(Part1 はこちらより

※ 料理説明後にマラッカ or ペナンと記載しているのは、その土地で人気のニョニャ料理という意味。両方で食べられるものは併記しています。

■前菜

パイティー Pie Tee(左)
帽子型のパリパリのカップ(小麦粉を揚げたもの)に、味つけしたクズイモ(大根と梨の中間のような野菜)、椎茸、卵焼きなど多種の具を詰めたもの。ひと口サイズで多彩な味覚が楽しめる凝った前菜で、チリソースをかけて食べる。オランダ料理由来といわれ、トップハットという別名がある。(マラッカ、ペナン)

オタオタ Otak Otak(右)
魚に、ハーブ、ココナッツミルク、卵を混ぜて蒸したもの。マレーシアのオタオタは3種あり、ペナン・ニョニャはやわらかくてムース状(写真)。マラッカ・ニョニャは弾力がありスパイシー。マレー系は定義のように細長く、蒸すのではなく炭火で焼く。タイ料理のホーモックにそっくり。(ペナン、マラッカ)


ポピア Popiah(左)
具だくさん春巻き。小麦粉の皮に甘辛ソースを塗り、味つけしたクズイモ(現地ではセンクワン、バンクワンという)、キュウリ、卵焼きなど多種の具を巻いたもの。食べごたえがありながら、野菜たっぷりなのでさっぱり食べられる。なお、マレー系のポピアはひと口サイズの揚げタイプ。(マラッカ、ペナン)

ジュフチャー Jiew Hu Char(右)
クズイモを細かく切って、サキイカ、豚肉などを一緒に醤油などで味つけしたもの。日本の切り干し大根のような味で食べやすい。具を細切りにするのがポイントで、正確に作ることを要求されたニョニャ料理の象徴では、と想像。ちなみに上記に紹介したパイティー、ポピアの中身はよく似た味。(ペナン)

※そのほか、ロバッ Lobak、クラブティムン Kerabu Timun、チンチャロ・オムレツ Cincalok Omeletteもおすすめ。


■メイン

ニョニャラクサ Nyonya Laksa(左)
マレーシアに数あるラクサのなかで、リッチ度No.1。海老だしをベースに、ココナッツミルクをたっぷり加え、スパイスやハーブなど多彩な食材で作る濃厚カレー麺。つけダレのサンバルブラチャンを好みで加え、辛くして食べる。(マラッカ)

アヤム・ブアクルア Ayam Buah Keruak(右)
マングローブの木の実ブアクルアと鶏肉をスパイスで煮込んだ料理。珍味といわれるブアクルアの独特な香り(チョコレート、ナッツ、トリュフのようなイメージ)が、えもいわれぬ味わい。栗のような硬い実の中身も小さなスプーンでほじって食べる。(マラッカ)


ルンダン Rendang
ココナッツミルクとスパイスで煮込んだ肉料理。鶏(アヤム)、牛(ダギン)、ときに羊(カンビン)がある。マレー料理としても人気で、ニョニャのルンダンの特徴は、コブミカンなどのハーブの香りがさわやかで、汁が多め。※ニョニャ料理とマレー料理の共通点はとても多い。(マラッカ。ペナン)

カリーカピタン Curry Kapitan
イギリス植民地時代、カピタン(キャプテン)に提供されたといわれるチキンカレー。鶏肉、レモングラス、コブミカンなどのハーブに、ココナッツミルクでまろやかに仕上げたもの。唐辛子の辛さはひかえめ。(ペナン)


ウダンナナス Udang Nanas(左)
海老(ウダン)とパイナップル(ナナス)のココナッツミルク煮込み。黄色はターメリックによるもの。パイナップルの甘酸っぱさを調味料として活用。海老だし、ココナッツミルクのクリーミーさ、唐辛子の辛みもしっかり。甘酸っぱく、辛くて、濃厚、という魅惑の味。(マラッカ)

バビポンテ Babi Pongteh(右)
ニョニャ料理の代表料理である、じゃがいもと豚(バビ)の煮込み。豆鼓、しょうゆなどを加えて煮込む料理で、日本の肉じゃが似。汁がとろっとしているのはすり潰した玉ねぎによるもので、野菜の甘みも特徴的。豚または鶏(アヤム)を使う。(マラッカ)


ナシウラム Nasi Ulam(左)
コブミカン、レモングラスなどのハーブを細かく刻み、ご飯に混ぜたもの。ターメリックで色をつけ、煎ったココナッツの実で香ばしさ、塩魚で塩味と旨味をつけている。さっぱりした香り豊かな混ぜご飯。女性にファンが多い料理。(ペナン)

アッサムプロウン Asam Prawn
こだわりの食材を使うのも、ニョニャ料理の特徴。新鮮な魚介が手に入る港町ペナンの自慢の味。マメ科の甘酸っぱいタマリンドで漬けた海老を香ばしく焼くだけ、というシンプルな味つけ。海老の旨味が楽しめる。(ペナン)


■おやつ(ニョニャ・クエ)

クエラピス Kuih Lapis(上・左)
餅粉にココナッツミルク、砂糖を加えて蒸したもの。ういろう似で、やわらか食感。一層ずつ同じ厚さで蒸しあげ、しましまに仕上げる。

アンクークエ Ang Ku Kuih(上・中央)
亀の甲羅を模った祝い菓子。緑豆餡、ピーナッツ餡、小豆餡などをやわらかなもち粉の生地で包んだ大福のような味。未来への希望を表した赤色が基本で、緑はパンダンリーフというハーブ、黒は黒米を練り込んだもの。

オンデオンデ Onde Onde(上・右)
パンダンリーフで、甘い香りをつけ、緑色に仕上げたやわらかな団子。なかに椰子砂糖のシロップが入っている。外側にまぶしてあるのはココナッツの実で香り豊か。

クエスリムカ Seri Muka(下・左)
マレーシア版おはぎ。もち米とココナッツクリームの2層になっている。パンダンリーフで香り付けしたココナッツミルクが甘くてもち米によく合う。

パイナップルタルト(下・中央)
パイナップルジャムのクッキー。八角やクローブなどのスパイスがほのかに香るジャムが大人向け。写真の丸型タイプのほか、ジャムを中に包むタイプなど、様々な形のバリエーションがある。

チェンドル Cendol(下・右)
ココナッツミルク、椰子砂糖のシロップ、小豆入りのかき氷。緑豆粉で作ったぷるぷる食感のゼリー状のものが特徴。日本人にも人気が高い。

※クエは、マレー語でおやつ(お菓子)のこと。福建語の「粿(クエ)」(米を使って加工したもの)が由来といわれる。ニョニャ・クエはとても人気で、現在は、マレーシア各地で地元のお菓子として親しまれている。

■おすすめのニョニャ料理レストラン(in Malaysia)

●マラッカ(ムラカ) 

・ナンシーキッチン Nancy’s Kitchen  ・・・メニュー多彩、ノンハラル
・ババチャーリーカフェ Baba Charlie Café ・・・ニョニャ・クエ、ラクサなど
・マジェスティック・マラッカ The Majestic Malacca ・・・クリスタン・アフタヌーンティーが名物

●ペナン

・クバヤ・ダイニング・ルーム Kebaya Dining Room・・・セブン・テラス内の瀟洒なレストラン
・ニョニャ・パラゾ Nyonya Pallazo  ・・・ プラナカンション(博物館)内のレストラン・モーテンピョウ Moh Teng Pheow Nyonya Kueh ・・・ ニョニャ・クエ専門店

●クアラルンプール

・ニョニャカラーズ Nyonya Colors ・・・ ニョニャ菓子と軽食。KLCC内、KLIA2にも店舗あり
・オールドチャイナカフェ Old China Café ・・・ セントラルマーケット2F(1st Foor)、メニュ―豊富

■作ってみたい方へ ニョニャ料理のレシピ

アッサム・プロウン Asam Prawn

■材料 (2人前)
・ 海老 8匹(殻付きのまま)
・ タマリンドペースト 大さじ2
・ 砂糖 小さじ1
・ 中国醤油 小さじ1
・ サラダ油 大さじ3(炒める用)
■材料 (2人前)
1 海老の頭のとんがっているところ、背ワタを取り、殻ごと綺麗に洗ったら、ペーパータオルで水気を取る。
2 ボウルにタマリンドペースト、砂糖、中国醤油を加えて混ぜたら、海老を入れて、30分ほど漬けこむ。
3 フライパンを熱し、大さじ3の油を加え、殻ごとよく炒める。食べるときは殻を剥いてどうぞ。

レシピ提供: タリナ先生
ニョニャのルーツを持つ、ペナン在のマレーシア人。なお、2022年6月に、オンラインにてタリナ先生の料理教室(第3期)開催決定! 後日、詳細を発表します。

■ニョニャ料理 参考資料

1  文化『マレー半島 美しきプラナカンの世界』イワサキチエ、丹保美紀 著
2  観光『カラフルなプラナカンの街 ペナン&マラッカへ』丹保美紀 著
3  食堂『地元で愛される名物食堂 マレーシア』古川音 著 
4  レシピ『A NYONYA INHERITANCE』(英語) by Perly Kee
5  器具&レシピ『nyonya heritage kitchen』(英語) by Ong Jin Teong
6  文化&レシピ『Penang Heritage Food』(英語) by Ong Jin Teong

★ 個人的におすすめ。Netflix 「彼岸の花嫁」★ 
マレーシア人作家Yangsze Choo氏のベストセラー「The Ghost Bride」原作のドラマ。ニョニャ料理がたくさん描かれている、というわけではありませんが、舞台は1890年代のマラッカで、プラナカン屋敷をイメージした家、人々の装い(ニョニャ・クバヤを着ています)、町の雰囲気、料理への考えなど、とても興味深いです。ストーリーも、ハラハラあり、ファァンタジーあり、で楽しいです!

■日本でニョニャ料理を楽しみたい方へ

・「マカン マカン」神奈川大和のシンガポールレストラン・・・ニョニャラクサ、週替わりでバビポンテ
・「マレーアジアンクイジーン」渋谷・横浜のマレーシアレストラン・・・ラクサ、ルンダン

・YOUKI 食品「ニョニャカレーペースト」・・・好みの具材を加えて自宅でニョニャカレーが作れる
・馬来風光美食監修「ルンダン」レトルト・・・温めるだけでルンダンが楽しめる

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