世界トップクラス!驚きのメニューの数々
都心から田舎町まで、マレーシアで30カ所以上のホテルに泊まった経験からわかったことがあります。マレーシアのホテルの朝食ブッフェ、あなどるべからず、です!
マラッカのホテルにて。心地よい陽のさしこむ中庭で食べたカヤトーストは最高だった。
なにが素晴らしいかというと、とにかく料理のジャンルが幅広いこと。マレー系、中国系、インド系という複数の民族がともに暮らす多民族国家ならではのメニュー構成でカレー、お粥、点心、麺、辛い料理までずらり。それも似たような味がいくつも並んでいるのではなく、ガラリと異なる味の料理が一堂に供されているので、毎日通ってもまったく飽きません。
多種のジャンルのことを“和洋中そろった”と日本語で表現するが、マレーシアの場合は“馬洋中”の馬にさらに、マレー、中国、インドの3つのジャンルが含まれているので、自然とバラエティ豊かになる。
インド系をルーツとするカレーは朝の目覚めにいいし、点心やお粥など中国式の朝ごはんはホッとする味。唐辛子の辛みがきいた料理で、アジア旅を満喫するのもおすすめです。それでは、私が必ず食べるイチオシ朝ごはんを紹介しましょう!
ココナッツミルクの香り漂うナシレマッ
マレーシアの国民食ナシレマッ。朝食ブッフェの定番中の定番です。
ナシレマッ。ココナッツミルクで炊いたご飯に、甘辛いソースのサンバル、塩気のきいた小魚、ゆで卵、きゅうり、ピーナッツをトッピングして好きに混ぜて食べる。それぞれ別皿に盛られているので分量はお好みで。サンバルは少しずつ混ぜて辛すぎないように。
ブッフェで並んでいると、パッと見、単なる白米のようですが、周りにピーナッツやゆで卵が置かれていれば、それはナシレマッです。マレーシア人のなかには、ナシレマッだけを皿にモリモリ盛って食べている人もいるほどで、ホテル側もナシレマッには気を抜けません。そのおかげなのか、どこのホテルで食べても本当に美味でした!
旅の疲れを癒してくれるお粥
朝から辛いものはちょっと……というときは、お粥がおすすめ。
ザーサイ、たくわん、ゆでピーナッツ 、塩卵、揚げ葱などの薬味が用意されていて、好きにトッピングができる。薬味は味のアクセントになるよう塩気の強いものが多く、お粥との相性はばっちり(写真提供:まゆこさん)。
お粥は薬味の選び方次第で味が変わるので、これもまた味のバリエーションは無限大。仕上げに胡麻油をひと回しして、風味豊かにどうぞ。
カレーソースで食べるロティ・チャナイ
インド系の軽食ロティ・チャナイ。これも朝食ブッフェにはかならずあります。
ホテルによっては目の前で焼いてくれるところも。パイのようなサクサク食感で、カレーソースをつけて食べる。カレーソースは近くに置いてあることもあれば、ご飯用のカレーと兼用になっていることもあり、そのあたりはフレキシブル。
ナシレマッ、お粥、ロティ・チャナイ。この3つは、マレーシアの定番の朝ごはんであり、マレーシアでぜひ食べてほしい名物料理。これらを一度で味わえるのも、ホテル朝食の魅力なのです。
空港近くにあるホテルの 朝食ブッフェが美味!
さて、格安航空会社のエアアジアをご存じでしょうか。マレーシア発の航空会社で、羽田とクアラルンプール間を格安料金(ときに往復5万円以下!)で結んでいます。そのエアアジアが経営するバジェットホテル「チューンホテルKLIA2」の朝食ブッフェが最高なんです!
レストラン「マカン」。大きな窓を配した明るい店内で居心地がいい。クアラルンプール国際空港の格安航空会社専用ターミナルKLIA2から直結のチューンホテル内にある。
この日、朝食無しのプランで泊まっていた私ですが、たまたまレストランの前を通ったところ、おぉ! 炭火でパンを焼いているではないですか!
トーストは炭火で香ばしく焼くのがマレーシアの伝統的な調理法。これにココナッツミルクで作った甘いカヤジャムとバターを塗って食べる。
その隣には、ロティ・チャナイの生地が用意してあり、お客さんが注文をすると、生地をのばすところから目の前で調理。アツアツ、サクサクの状態で食べられます。
手前にある白い生地がロティ・チャナイ。大きさがまちまちで手作り感満載なところはご愛敬。
ブッフェ代金は20リンギット(宿泊者以外は26リンギット)。日本円にすると約600円で、日本のホテル朝食と比べると驚きの安さ。先のカヤトースト、ロティ・チャナイに加えて、ナシレマッ、お粥、麺料理もそろっています。あれこれ迷いながら、こんな感じで盛り付けてみました。
手前よりナシレマッ、目玉焼き、カヤトースト、チキンハム、ドラゴンフルーツ。
ナシレマッは、ご飯の甘い香りとサンバルの甘辛さが絶妙で、ピーナッツと煮干しはカリカリ食感全開。炭火で焼いたトーストは香りがよく、カヤジャムとバターのあまじょっぱさが後を引く味。どれもエンドレスで食べられそうでした。出張中や時間の限られた滞在のときこそ、ホテルの朝食に注目。マレーシアらしさをぜひ楽しんでみてください。
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