マレーシア料理図鑑30/ご飯もの/基本★★★/食べることが好きならここも/
バナナの葉に目の前で盛りつけくれる。ごはん、カレーソース、野菜のおかずのセットで、店の人との目だの会話付き。写真はクアラルンプールで食べたもの
バナナリーフライスを解説
ごはん、カレーソース、野菜のおかずのセット料理です。
「バナナリーフひとつ」と注文すると緑色のバナナの葉っぱが目の前に置かれ、ごはん、野菜のおかずが2~3種、パパドとよぶ豆の粉を揚げたせんべい、そして、ごはんにカレーソースをかけるという手順で店の人が盛ってくれます。
セットのカレーはソースのみなので、鶏や海老など具入りのカレーを食べたい場合は、別注文です。
南インドからの移民が持ち込んだ味で今ではマレーシアの大事な食事です。
バナナリーフライスはどうやって食べる?
最近は食べ放題はあまりないようですが、昔はご飯やカレーはおかわり可でした。この場合、もうお腹いっぱい、の印に、バナナの葉を向こうから手前に半分にたたみます。ごちそうさま、の意味もあります。
バナナリーフライスを初めて食べる人へ
バナナリーフライスは、インド系民族が出身地である南インドから持ちこんだ味。インド料理専門店で提供していて、ここはインド? という店の雰囲気の中、お客さんは、インド系だけでなく、マレー系や華人系もいて、みな満足そう。
カレーは辛すぎず、おかずは野菜のみでヘルシー。付け合わせのチャツネ系は結構辛いので、そのあたりは慎重に。
また、目の前で、お店のスタッフが盛りつけてくれるので、たとえばご飯の量が多い場合は「ごはんは少しにしてね」「このカレーは辛いの?」など、手や声で合図し足り、会話をしてみましょう。そうすると、よりじぶん好みのバナナリーフカレーができあがるし、一見強面な店のスタッフの笑顔が見られて、旅ががぜん楽しくなります
ちなみに、バナナリーフを皿に使うのは、浄・不浄(*)の点からで、マレーシアはバナナの葉がそこら中にあるのでエコでもあるし、見栄えもマル。
*ヒンズー教の「他人の唾液は不浄」という考え方にもとづいていて、綺麗に洗った皿よりも“使い捨て”を好むといわれる。
ミニエッセイ「目で会話」
バナナリーフライスで思い出すのは、店の人と言葉を使わずに会話をしたこと。注文時、店の人と距離が遠かったので「バナナリーフ」と口の形で表現しつつ、人さし指で四角を描くジェスチャー。すると、わかった、と親指で👍マーク。料理を食べていると、同じ人がチラチラと視線を送ってくる。つまり「おかわりするかい?」という合図で、「いえ要らないです」とこちらも目で応答。で、食べ終わったので、ペンで書くような会計のジェスチャーをして、了解👍と。まるでテレパシーやん、と楽しかった。
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Memo
マレーシアのバナナリーフカレーと南インドのミールスは同じ料理といわれている。また、マレーシアには、チキンカレー、マトンカレー、デビルカレーなど「カレー」という名前がたくさんある。インド、タイ、インドネシアにはカレーという名前の料理があまりないことを考えると、イギリス植民地時代の影響なのかもしれない。食べ終わったら、バナナの葉を葉脈部分から半分に折るマナーがあり、向こうから手前にたたもう。逆にすると、おいしくなかった、という意思表示になるので、お気をつけて。
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