マレーシア料理図鑑56/おやつ/中級★★★★★/アジア料理に詳しいならここも/
ココナッツミルクが香る薄焼きせんべいです。西洋菓子に影響を受けた味で、表面の模様がかわいくてフォトジェニック。写真は、ランカウイでマレーシア人に習ったときのもの。生地が熱いうちに折りたたんだり、ロールにしたりする
クエカペを解説
厚さ1ミリの薄い焼き菓子でパリッと軽い食感です。
専用の焼き型(鉄製で、ぎゅっと挟むタイプ)で作り、花、鳥、ミツバチなどが表面の凹凸で模様が描かれます。
クエカペの起源はオランダ菓子にあり、さらにだとると、型ではさみ焼きにする日本でもおなじみのフランスのワッフル系統です。
クエカペ、クエカピ、クエブランダ、ラブレターなど色んな呼び名をもち、そのことからも、マレーシアでとてもポピュラーな菓子であることがわかります。
クエカペはどうやって食べる?
振動に弱く、ほろっと崩れる繊細な菓子なので、持ち運びは慎重に。食べるときにはお皿の上でどうぞ。
クエカペを初めて食べる人へ
ココナッツミルクの香りがふわっと漂う“極薄の卵せんべい”です。
さて、クエカペは名前が面白いです。カペ(カピッ) Kapitは、マレー語で2つのものを両側から推すという意味で、調理時のはさみ焼きの様子を表現。また、オランダ由来の菓子なので、クエ・ブランダ(belandaはオランダ)や恋文をはさんで渡したという伝説からクエ・ラブレターとも呼ばれます。
ちなみに、クエカペの形は2種あり、ペナンなど北部は折りたたみタイプ、マラッカなど南部はくるっと丸めたロールタイプが多いようです。
ミニエッセイ「割れ物注意、のタグ付きで」
日持ちのするクエカピは、おみやげに最適……といいたいが、実はそうではない。極薄なので、振動に弱いのだ。友人がスーツケースに入れて持ち帰ったら、クエカペが消えた?! というぐらいあとかたもなく粉々で、仕方なくポテトチップスの食べ終わりみたいに口のなかにざらざらと入れた、と嘆くほど。別の友人は、壊れもの注意(FRAGILE)のタグ付きで機内に持ち込み。客室乗務員さんに「壊れやすいとっても貴重なものです」と告げて慎重に扱ってもらって大成功。すごい!とにかく、持ち運びは慎重に。
Memo
スーパーのクッキーコーナーで販売されている。形は2種類あり、ヨックモックのシガールのようにロール状になったものと、上の写真のように折りたたんだもの。マラッカとシンガポールはロールタイプ、ペナンは折りたたみタイプが多い。ピーナッツクリームをはさんだものもおいしい。
Memo
日持ちがするので、ハリラヤや中国正月など祭りの期間に、家に訪れた客人をもてなす菓子として重宝されている。とくに中国正月には欠かせないもので、むかしは各家庭で手作りをしていた。ものもおいしい。
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