【CREA WEB】 マレーシアごはん偏愛主義! 2016年9月13日配信
海外でのお土産探し、皆さんはどこに買いに行きますか。お土産店も便利ですが、ぜひチェックして欲しいのは、現地のスーパーマーケット。その国ならではのアイテムが多彩にそろっていて、現地のトレンドの味にも出会えます。今回は、マレーシアのスーパーで買えるおすすめのお土産を紹介します!
世界で認められたマレーシアの紅茶ブランド「ボーティー」
「ボーティー」。伝統生地「ソンケット」をモチーフにしたパッケージもかわいいフレーバーティーシリーズ。
マレーシアは、イギリス統治時代の名残で紅茶の生産がさかん。マレー半島の中央に位置する海抜1800メートルの高原地帯「キャメロン・ハイランド」には、まばゆいほどの緑の茶畑が広がっています。
亜熱帯地域の高地に位置する「キャメロン・ハイランド」。朝晩の寒暖差が大きく、霧が出ることも多い。この気候が紅茶づくりに適している
ここで茶葉を栽培しているのが、マレーシアを代表する紅茶ブランド「ボーティー/BOH Teaです。茶葉はアッサム種で、すっきりとした飲み心地。透き通った褐色系のオレンジ色で、渋みはほとんどなく、毎日飲んでも飽きのこない味です。
少量の小分け茶葉パック、お手軽なティーバッグなど、多彩なラインナップ。なかでも、パッションフルーツ、ライチ、マンゴー味などの南国マレーシアらしいフレーバーティーがおすすめです。
スーパーに並ぶボーティー商品。マレーシアのほか、デンマーク、ドイツ、台湾、日本等にも販売代理店がある
また、マレーシアで紅茶といえば、以前紹介した「テタレ/Teh Tarik」。濃いめに淹れた紅茶に、練乳を加えた甘~いミルクティーで、朝に晩にと、日に何度も飲む人がいる国民的ドリンク。これもボーティーが商品化しています。
スティック状のパウダータイプで、お湯で溶いてできあがり。種類がいくつかあり、オリジナル、甘さひかえめ、生姜入り、珈琲をミックスした「チャム」など
最近注目を集めているのが「チャム/Cham」です。チャムとは、現地語で“混ぜ混ぜ”という「チャンプルー/Champor」からきた言葉で、「テタレ」と「ホワイトコーヒー」をミックス。紅茶と思って飲めば紅茶だし、珈琲と思って飲めば珈琲という摩訶不思議な味。紅茶と珈琲というふたつの味が1杯で楽しめて、お得な気もします。なんでも混ぜて食べるのが好きなマレーシアらしい味です。
ローカル・チェーン「オールドタウン」の3 in 1
紅茶と同じく、珈琲豆も生産していたマレーシア。今はほとんど農園はないそうですが、珈琲を飲む文化は現在もなお受け継がれています。その象徴が、マレーシア全土で約200店舗を展開するローカル・カフェチェーン「オールドタウン ホワイト コーヒー」。スタバよりも人気です。この店の珈琲パウダーがスーパーで販売されています。
珈琲、砂糖、ミルクの3つの材料入りで、スリーインワン(3 in 1)とよぶ。独特の香りとコクのある珈琲
この店の珈琲は「ホワイトコーヒー」とよばれていて、西洋の珈琲とはちょっと違います。イギリスで「White Coffee」というと牛乳入りの珈琲を指すそうですが、それとも別物。焙煎の方法に特徴があるのです。
通常焙煎は豆のみで煎りますが、ホワイトコーヒーはマーガリンと砂糖を加えています。そうすることで、コクと香りをひき出し、苦みはおさえめの味に。焙煎時の豆の色が浅いことから「白い珈琲=ホワイトコーヒー」とよばれているそうです。カフェモカのような甘い香りで、疲れをじんわり癒してくれます。
スーパーのお土産として、ぜひ注目して欲しいのが、簡単調理でマレーシアの味が再現できるキットやインスタント食品です。まずは、ブロガー絶賛で売り切れ続出のインスタント麺を紹介しましょう!
汗がドバッと出てくる激辛カレー麺
まず完成品からどうぞ。カレーラーメンやカレーラクサ好きはきっと気に入るはず!
「ペナンホワイトカレー麺」の調理後。スープが真っ赤です。勢いよく麺をかきこむと、ケホケホとむせるぐらい辛くて鼻水が止まりません
名前にあるように、もともとはペナンだけで販売されていたご当地インスタント麺。2014年、麺マニアのアメリカ人ブロガーが「世界で一番おいしい」と評価したことで、またたく間に人気に。クアラルンプールのスーパーにも特設コーナーが設けられ、うず高く積まれています。
かなり辛いスープなのですが、ただ辛いだけではなく、ココナッツミルクの濃厚なコク、そしてスパイスの弾けるような香りが広がります。ちゃんとコシのある麺もポイントが高く、たしかにインスタント麺とは思えない完成度の高さです。
作り方はこんな感じ。
■作り方
(1) 分量のお湯で麺をゆで、そこにすべての調味料を加える。
(2) 海老、油揚げ、ゆで卵、ライムなどをトッピングして完成。
袋の中に、パウダー状のココナッツミルク、ペースト状のスパイスが入っている。同じシリーズの「ペナンホッケンミー」もなかなかおいしい
漢方の香りでマレーシア気分を甦らせよう
これも完成品からどうぞ。お肉とにんにくでパワーアップ間違いなしのバクテーです。
「バクテー」の調理後。さっきのカレー麺は真っ赤だったが、こちらは真っ黒。この黒は「熟地黄」という漢方の色で、味は見た目ほど濃くない。漢方の香りぷんぷんのスープは、豚肉の甘みが効いている
日本でもじわじわ人気になっている、マレーシアのスタミナ漢方スープ「バクテー/Bah Kut Teh」。10種ほどの漢方を使うのですが、それらが1つのセットになった漢方パックがスーパーで売られています。これさえあれば、自宅で簡単に「バクテー」が作れます。
メーカーは多種。どのメーカーのものでもおいしく仕上がるが、パウダー状の漢方パックのほうが、そのままの漢方が入ったタイプよりも香りが強い気がする
作り方はこんな感じ。
■作り方
(1) 鍋に分量の水を入れ、漢方パックとにんにくを30分ほどぐつぐつ火にかけて、漢方を煮出す。
(2) 豚肉と厚揚げを入れて、弱火でじっくり1時間ほど煮込む。
(3) 最後に味付け。漢方パックに調味料は入っていないので、自分で味を調える。基本は、オイスターソースと醤油。甘みを足したければ砂糖、味に深みを出したいなら塩を加えて。中国醤油を入れるとスープの色が黒くなり、よりマレーシアらしい味になる。
今回紹介したのは、どれもマレーシアの定番のお土産です。軽くて、お手頃な価格で、マレーシア人にとっても大事な味。これらの商品を味わいながら、マレーシアの思い出話にぜひ花を咲かせてください。
文=古川音
撮影=古川音、三浦菜穂子
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