Interview 中国・台湾・マレーシアで大ヒットした歌、光良さんの「童話」。この歌のアレンジを担当した日本人編曲者、中村タイチさんにインタビュー
※この記事は Hati Malaysia (マレーシアをディープに伝える)Web記事より転載しています。
台湾在のマレーシア人歌手、光良さんの日本初コンサートから2カ月。いまだに、あの日の感動が忘れられず、毎日、光良さんの歌を聞いている、ライターの音です。
2018年3月18日、東京・お台場のZepp Tokyoで開催された光良さんのコンサートの様子。のびやかな甘い声で、2時間で22曲を歌い上げた。その姿は、優美で、それでいて凛としていて、まさにラブソングの王子!(写真提供:星娛音樂XYmusic)
コンサートのMCは中国語で、リラックスした雰囲気で観客とコュニケーション。そしてなんと、観客席に降りてきてくれて握手まで!
おなじみの大ヒット曲「第一次」「勇氣」「掌心」から、2017年にリリースした「九種使用孤独的正確方式」まで、23年間の歌声をダイジェスト版のような贅沢な構成で届けてくれた光良さん。ザ・光良Worldに包まれたホントに幸せな時間でした。
今回、光良さんのコンサートを経験して、ひとつわかったことがありました。それは、人の心を動かすのに、言葉は要らないんだ、ということ。正確にいえば、言葉の意味をわかる必要はないんだ、ということ。
じつは、光良さんの代表曲「童話」は、ひとりの日本人編曲者が深く関わっています。彼の名前は、中村タイチさん。ご自身もミュージシャンであり、森山直太朗さんをはじめ、多くの歌手の方の編曲を手がける音楽プロデューサーです。
さかのぼること2004年、中村タイチさんのもとに、事務所を通じて、1通のメールが届きます。「童話」の曲のアレンジをお願いしたい。当時、光良さんの音楽をプロデュースしていた台湾人の方からの英語でのオファーでした。
「はじめて「童話」のデモテープを聞いたときの印象を今も鮮明に覚えています。ピアノの伴奏で歌ったシンプルなものでしたが、響きがきれいだな、と思いました。曲調と中国語のイントネーションがすごく合っている。バラードのメロディーに、中国語の響きが見事にマッチしていて、この響きを大事にしたい、と思いました」(中村さん)
そのため、曲の最初の部分はおさえた感じのアレンジにし、ドラムや弦楽器ですこしずつ盛り上げていく構成で編曲。光良さん側も中村さんの提案をすぐに気に入ってくれ、それから2~3ヶ月後に日本でレコーディングを実施。それからの「童話」は、ヒットに合わせて、ロンドンや中国でもレコーディングを行ったそうですが、世界の人々に愛された童話のはじめの一歩は、ここ、日本にあったのです。
今回のコンサートで、約15年ぶりの「童話」との再会を果たした中村さん。初めて生演奏を聞いたそうで「大ヒットした、というのは光良さんから聞いていたのですが、正直、今日まで実感がなくて。コンサートで、最後に「童話」が歌われ、そのときの“待ってました!”という観客の方の反応をみて、本当にヒットしたんだ……とむちゃくちゃ感動しました。また、コンサートで光良さんが僕の名前を呼んでくれて「あの出会いがなければ、今日の僕はいなかったかもしれない」と言ってくださったのは、もう言葉がでないくらい嬉しかったです」とのこと。
コンサート後に記念撮影。中村タイチさん(左)と光良さん(中央)。右は、中村さんとともに活動するブルーソファのサカタコスケさん。(写真提供:星娛音樂XYmusic)
音楽ってすごい。月並みな言葉になっちゃいますが、コンサートを体験し、中村タイチさんへのインタビューをおえて、そのことを強く強く感じました。
言葉の意味はわからなくても、言葉のイントネーションや響きで伝わるものがある。意味がわからなくても、心が動く。感動する。涙がでる。むしろ、言葉の意味がわらかないから、伝わるものがある。日ごろSNSや仕事で言葉に埋もれ、言葉に翻弄され、ときに言葉に操られているように感じる私にとって、意味がわからないことがむしろ心地よくて。あたたかな響きそのものに救われた気がしました。新しい、そしてうれしい発見でした。
光良さんの曲を聞いてみたい、と思った方、ぜひ! 中国語わからなくても、感じます、保証します。最近の音楽は「App store 」でダウンロード可。「光良」と検索すると、3本のCDが、360円、MVつきで購入できます。どれも超いい曲なので、おすすめです。
また日本に来てくださいね、光良さん、待ってます!(音)
红遍台湾,大马,中国等华人圈的光良经曲“童话”:采访负责编曲的中村タイチ
光良第一次日本东京演唱,虽然已过了三个月,而我依然感动着。演唱会中,光良以轻松的气氛和歌迷们交流,甚至下台握手。由“
光良的“童话”与一位日本人有着密切的联系。
中村说道:“对于初次听到童话的Demo时的印象,至今还很深刻。
中村接着说:“相隔15年后,这次的东京演唱会再次听到了童话让我觉得很感动。
音乐不分国界,不分语言。
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