茅場町で中国正月のお祝い料理「イーサン/魚生」
2月4日(土)、11日(土)の2週にわたり、八丁堀のマレーシア料理店・マレーカンポンで、マレーシアごはんの会のイベントを開催しました。
今回のテーマは中国正月。人口の約25%を華人が占めるマレーシアでは、中国のお祭り(端午の節句・お月見など)も国の大切なイベントになっています。仲間との絆を深め、祖先のルーツにつながるお祭りは、中国本土よりもマレーシアのほうが色濃く残っているとか。たとえば、中国系マレーシア人の歌手は、この時期になると中国正月をテーマにした曲を次々に発売。その数、20~30アルバム!ベストセラーになると、なんと30万部も売れるんですって。これは中国本土には無いマレーシア独特の文化。祖国から遠く離れた場所に住むからこそ、故郷の文化を大切にしているのです。
今回、中国正月の時期にリリースされた曲のPVをタンさんがマレーシアから送ってくれました!しゃんしゃん、リンリンと音楽が流れ、ここはまるでマレーシア♪
さて、イベントの開始宣言、乾杯です。マレーカンポンの店主である中国系マレーシア人のチャーさんが音頭をとり、ヤムセンです。
ヤムセンとは、漢字で“飲勝”と書き、中国系マレーシア人定番の乾杯。ヤーーーーーーーーーーーーーーーーと伸ばし、息が切れそうになったら、ムセン!と言いながら乾杯します。
「今年一年の健康と幸せを祈って」とチャーさん
ヤーーーーーーーーヤーーーーーーーームセン!
そして次に、中国正月でしか食べられない料理、イーサンをいただきます。イーサンは、マレーシア、シンガポールで生まれた特製のお祝い料理。漢字で魚生と書き、生の魚、つまり刺身がのっている料理です。マレーカンポンさんが作ってくれたのは、分厚いスモークサーモンが乗った超豪華版。大根、ニンジン、揚げた山芋、ワンタンの皮など甘酸っぱいプラムソースであえて食べます。このあえ方がポイント。食べる人が、自分たちのテーブルの上で混ぜ混ぜするのです。なるべく高く持ち上げて、願いごとを叫びながら落とす。その繰り返し。
これがイーサン。マレーシアのよりおいしかった!と大評判。スモークサーモンの質で勝ったね!右奥の皿は、揚げた餃子の皮。砕いたピーナッツの食感もいいのです。
みんな立って、箸を持ち、よーいスタート! イーサンは高く持ち上げて、混ぜるのが縁起がいいんです。理由は、「成績が上がる」「昇進する」などの意味から。
今年こそは彼氏ゲットー!仕事が順調にー!混ぜて混ぜて!テーブルの上が汚れても気にしな~い。むしろ汚れるのが正しい。
3枚目の写真はちえみさんより提供して頂きました。
次々に料理の登場です。こちらはチキンレンダンとココナツライスボール。ピリッとチリをきかせた鶏肉とココナツミルクで炊いたご飯がよくあいます。
中国漢方でじっくり煮込んだチクテー。鶏肉がほろほろにやわらかく、醤油風味のスープはごぐごく飲める優しい味。鶏にチリ醤油をつければまた絶品。
野菜は2品。サンバルで炒めたもやしとエビ料理。そしてシメは世界のグルメランキング7位に選ばれたペナンアッサムラクサ!
パクパク食べ、ぐびぐび飲み、初めて会う人同士も話が弾みます。
今回もたくさんの方々が参加して下さいましたが、なかでも盛り上げてくれたのは、4日に参加してくれたマレーシア人の歌手、アイズディーンさん!
アイズディーンさんは、2010年の3月3日、アルバム『Hadiah ~The First Step~』でメジャー・デビュー。マレーシア人が、日本で邦楽アーティストとしてのデビューは、彼が初!という快挙を成し遂げた人。R&Bの曲を、大人っぽいセクシーな声で歌っています。
そんなアイズディーンさんに、ちょっと歌って~!なんて無茶ぶりし、照れながらも快く歌ってくださったアイズディーンさん。ホント、てりまかし(ありがとう)。
ほかにも、☆イーサン初体験を楽しんでくれたマレーシア人、☆マレーシアでプロポーズされた女性、☆南インド舞踊にハマっているご夫婦、☆越冬が辛くてマレーシアに帰りたいとしんみりしている人々、☆初マレーシア体験を楽しんでくださった人、☆iphoeの操作画面文字をマレー語にして混乱したと告白して下さった人、☆伴侶がマレーシア人、☆パノーラのファン、☆マレー語留学者、☆カレーの有名ブロガー、☆もとマレーシア在住者、まで、色々な方が参加してくださいました。東京に出現したマレーシアそのものの空気感にひたり、おいしい料理に舌鼓をうち、とにかく盛り上がった2日間でした。
マレーシアのお菓子もとってもおいしくて。
Kちゃんが差し入れしてくれた甘いイポーコーヒーでほっと一息もしましたね。
最後には、今年1年の運試し!クジを引いてもらい、アンパオ(中国正月にもらえるお年玉のこと)を贈呈。1位の方には、マレーカンポンさんのお食事券が当たりました~!ちなみにこのアンパオ、本物のマレーシアで使われているお年玉袋。マレーシア人のタンさんがPVとともに、このイベントのために送ってくれました。タンさん、テリマカシ~! Mr.Tan Terima kashi!
これがアンパオ。賀年の文字。おめでとう!
日本ではめずらしい料理を味わい、新しい出会いを楽しむ。ほかほかに温かくて、隣の人となんだか話したくなってしまうオープンな空間。この空気感は、多民族国家であるマレーシアという国の特徴です。イベントですこしでも感じていただけたら幸いです。
ちょっと話は飛びますが、最近、落ち込むことがあると、こんなふうに考えます。「マレーシア人だったら、どう思うだろう?」 するとそれ以上マイナスには絶対にならない。「ま、仕方ないね」でにっこりするか、ぷりぷりしながら「ちょっとさぁ~」と文句言って、ハイ、おしまい。マレーシアの人って、根明なんですよね。ジメジメさがまったく無い。
マレーシアごはんの会では、これからもマレーシアの空気感を大切にしていきます。一度来たら、ハマりますよ。幹事の私たちがハマっているんですから、間違いありません。次もまた皆さんと楽しいひとときをすごしましょう!(音)
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