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「家族の歴史が映る食卓」タリナ先生にインタビュー

タリナ先生は、マレーシアのペナン在住のマレーシア人。生まれも育ちもペナン

2021年3月6日からスタートする料理教室・オンライン(参加者募集中☆)の先生を担当して下さるタリナ先生。一歩町に出れば、多数の露店が並ぶフードパラダイス、ペナン。この地で暮らしながらも毎日料理を欠かさないという先生の食卓への思いについてお聞きしました!

 

――先生のルーツを教えてください。

母は、シンガポール出身のニョニャ*とペナン出身のババ*の両親をもつプラナカン*です。父は、北インドのパンジャブ地方、チャンディガール出身のインド人。これは父と母の結婚式のときの写真。新聞に掲載されたようで、当時にしては豪華な結婚式だったみたい。

ニョニャのお母さま(右)とインド人のお父さまの結婚式の様子
*中国移民がマレー半島で現地化した人々、プラナカンのうち、男性をババ、女性をニョニャという

――さまざまなルーツをお持ちのタリナ先生にとって大事な祭りは何ですか。

中国正月、クリスマス、そしてvasakhi(ヴァイサーキー:ヒンズー教のお祭り)ですね。

――そんなにたくさん! ご自宅の料理もきっとバラエティに富んでいるのでしょう。

同じチキンカレーでも、ニョニャと北インドでは味が違います。たとえば、ニョニャではココナッツミルクを使いますが、北インドではヨーグルトになります。私の場合、魚のカレーにはココナッツミルク入り、チキンカリーにはヨーグルト入りにするのが好み。もちろんココナッツミルクをチキンカレーに使うこともあり、この場合はニョニャスタイルになりますね。

さまざまなジャンルの料理を家庭料理として食べて育ったタリナさん(手前、右)。両親と妹さんと

――多数の料理のレパートリーがあり、それらは個々に分れているのではなく、互いに影響しあっているのですね。

チキンカレーといえば、ニョニャの代表的なカレー「カピタンチキン」も大好きです。これはマレーシアならではの調味料ブラチャン(海老の発酵ペースト)を使うのがポイント。

――ペナンで暮らしているマレーシア人は外食が多いとも聞きますが、先生はなぜ毎日料理をされるのですか?

外食もおいしいけど、やっぱり自分で作った方がおいしいわ。たとえば、ヘルシーに油や砂糖を減らすことができるし、食材をたくさん使ってリッチな味にすることもできます。もっといえば、私はキッチンにいるのが幸せなの。最近はブレンダーを使ってスパイスをつぶすこともあるけど、やっぱり石うすで時間をかけて調理する方が好き。「Love food」=食を愛しく感じるから。

――いつから料理を始められたのですか?

7歳のころから母を真似して始めました。私の料理の師匠は、じつは母ではなく、ニョニャの祖母。とても厳しい人でした。今でもよく覚えているのが、中国正月のとき「ジュフュチャー(1回めの料理教室で登場!)」のために「ジカマ(クズイモ)を千切りにしておいて」と言われ、じぶんはマージャンに行ってしまったの。祖母がいない間、私はちゃんとジカマを千切りにしました。でも、時間短縮のためにシュレッダーを使ったの。帰ってきた祖母はそのジカマをみて「これじゃだめ、やり直しなさい」とぜんぶ捨てたのよ。手でていねいに細く切るのが大事、と祖母に教えられました。

右からタリナさん、おばあさん、妹

伝統的なニョニャ料理は、とてもシンプルな工程です。それでいてとびっきりおいしい。時間をかけて、丁寧に作るのがコツですね。

――やはり料理は、時間をかけるのが大事なんですね。

でも、そればかりでは忙しい日は大変。なので私は、時間がないときは伝統にこだわらず、自分流にアレンジします。料理の工夫をするのも大好きなんです。パスタにハーブをきかせたり、ヘルシーに鶏の胸肉を使って、簡単ソースでマリネしたものをゴマの葉で包んで食べたり。アイデアがどんどん頭に浮かんでくるので、それを作ってみます。友人たちに食べてもらい、料理で驚かせることも好きですね。

 

タリナ先生のファミリー写真。料理や英語の講師のほか、動物の保護活動もしている。ご自宅には40匹の猫と10匹の犬も

――伝統的な料理からアイデア料理まで、オールマイティーですね。

なぜなら、ペナンの食文化がそうだから。マレーと中国がミックスしたニョニャ料理、中国から伝わった中国料理、北インドのカレー、そしてマレーシアで現地化したインド系料理もあります。イギリス占領下時代に根づいた西洋料理もペナンの味といっていいでしょう。そうね、ペナンで食べられないものはないわね、笑。ペナンは正真正銘のフードパラダイスだと思います。私の料理に興味を持って下さったら、ぜひ、ペナンに来てください。それまでは、このマレーシア・オンライン料理教室でマレーシアを感じていただけたら、とても嬉しいです。

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先生、ありがとうございました! 3月6日からスタートする料理教室の詳細はこちらより。タリナ先生にお会いしたい方、ぜひご参加ください。

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