結論からいうと、どちらも正解! 国を代表する名物といわれるほど人気の料理です。
では、味に違いはあるの? そう、あるんです。
◇マレーシアのバクテーの特徴
・10種以上の漢方を使用
・具は豚の三枚肉、スペアリブ、臓物など
・中国醤油や漢方「熟地黄」を加えるため
スープの色が黒っぽい
・福建省ルーツ
◇シンガポールのバクテーの特徴
・白胡椒のパンチが食欲をかきたてる味
・具は骨付きのスペアリブ
・スープの色は透明
・広東省潮州ルーツ
マレーシアもシンガポールもどちらもおいしく、私はどちらも好きです。
さて、最近感じるのは“どこどこの国の料理”というとらえ方。
私たちはつい、この料理はこの国の味、と、簡単にラベルを貼ってしまいますが、その料理が、その国以外でも人気の例は多数あります。
たとえばチキンライス。
チキンライスも、シンガポール、マレーシア、そしてタイなど複数の国で人気。中国・海南島から各地に派生したため多くの国で親しまれています。
つまり“どこどこの国の料理”は、その国だけで食べられているのではなく、その国発祥でないことも多々。つまり“どこどこの国の料理”とは「この国でよく食べられている味」「この国の多くの人が好きな味」ぐらいが事実に近い気かも。
立地の影響もあり、たとえば、国境を接している国が食文化が似るのは自然なこと(*)。あるジャーリストの言葉をかりれば、食文化とは、国境でパキッと異なるものではなくグラデーションのように重なり合いながら広がっているもの。
だからバクテーが、マレーシアでもシンガポールでも人気なのはあるある、なのです。
食文化とは、固定された定義ではなくたえず動いているもの。
なぜならそこに暮らす人々が作り上げているものであり、人々は絶えず変化する命をもっているから。食べる人と作る人が積み重ねてきたバクテーの味。地域で色々な味があるのも趣深いものです。
食べてみたいな、と思った方へ、下記はおススメ店!
★日本でマレーシアのバクテーが食べられる店
「肉骨茶」東京・十条
★日本でシンガポールのバクテーが食べられる店
「松記鶏飯 」東京・小川町
(*)高い山が国境を隔ている場合は隣の国と食文化がガラリと違うこともある。
この記事へのコメントはありません。