Report ペナンにて、ペナン写真家のギャラリーを見学
2012.4.2
ペナンのアルメニア通りにあるギャラリーペナン出身の写真家、ハワード・タンさん
先日のペナン旅行で、素敵な出会いがありました。
ランカウイ島のフォーシーズンにもギャラリーをもつ実力派、フォトグラファーのハワード・タンさんです。ペナンのアルメニア通りにあるギャラリーで、彼の写真を見たとき、「写真というよりも絵に近い」と感じました。言葉にするならば、目の前にある風景をいったん頭のなかで平面の絵に変換し、それを写真に焼き直している、というイメージ。3Dなものを2Dに置き換えた感じ。
それは、人の息はあまり感じられない無機質な景色。
現実とアートの間のような。
現実であり、非現実的であるような、不思議な空間。
だからこそ強烈に心に残るもので、今もなお、彼の撮影したペナンが忘れられない。
ペナンの特徴的な建物の壁を絵画調にして再現プラナカンタイツの前に、古ぼけた自転車。この2枚は絵ハガキ
ペナンには、こういう景色がたしかにあります。
古ぼけたチャリがそこらへんに乗り捨てられていて、壁は可愛らしいパステルカラーで塗られている。それはまるで絵みたい。誰かが都合のいいように、かわいらしく細工したみたい。古ぼけたボロボロの壁も、なんだか大道具さんが作った映画のセットにも見えてくる。
ハワードさんの写真を見て、景色の見方がガラッと変わりました。自分でも驚くくらい。
景色を色で見るようになりました。
平面で見るようになりました。
すると、世界は想像以上に美しかった。
人の感情という余計なものをいったん外に置いて、景色だけを切り取ったら、世界はものすごく色鮮やかでした。
日本の家は、ペナンに比べると少しシンプルすぎて、色が地味すぎて、お世辞にも可愛いとはいえない。安全と便利さを追求したためか、機能的な階段がむきだしになっていて、人間の欲がペッタリと張り付いていて、なんだか可愛そうにも見えてくる。
でもでもね。その家の上に広がる青い空や木々の花々は色鮮やかで、かわいくて。わたしは、こんな美しい世界に囲まれて生きているんだって、それだけで、もうなんというやら、とってもありがたくて。
3Dよりも、2Dのほうが、私は好きかもしれないです。
こちらがハワードさんのWeb:
http://studiohoward.com/site/